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ペロシに会わなかった尹大統領に対し、韓国与党「中国の顔色うかがい」批判

登録:2022-08-05 01:56 修正:2022-08-05 09:03
「『休暇中』との理由は話にならない」との指摘も 
チェ・ヨンボム広報首席「国益を考慮した決定」
ナンシー・ペロシ米下院議長が4日、キム・ジンピョ国会議長との会談後、共同メディア発表を行っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が休暇中であることを理由に訪韓中のナンシー・ペロシ米下院議長に会わなかったことについて、政権与党である国民の力の中から批判が出ている。「米国の権力序列第3位」のペロシ議長に会わなかったことが中国の顔色をうかがっているように映る恐れがあるうえ、「韓米同盟の強化」という基調にも合わないという指摘だ。

 国民の力のユ・スンミン前議員は4日、フェイスブックに「重要な人物が韓国を訪問しているのに、ソウルにいる大統領が会いもしない? 休暇中だというのは理由にならない」、「同盟国の米国の議会の最重要人物が訪韓したのに、大統領が会わないというのは理解できない」と批判した。前日に大統領室が「尹大統領の夏休み(1~5日)とペロシ議長の訪韓日程が重なる」との理由で、尹大統領とペロシ議長の対面での会談計画はないと発表したことを批判したものだ。尹大統領夫妻が3日にソウルの大学路(テハンノ)で演劇を鑑賞し、劇団関係者たちと打ち上げを行う様子まで公開されたことが、批判をより一層あおっているようだ。

 ユ前議員は、この日午後のペロシ議長による板門店の共同警備区域(JSA)訪問日程にも言及し、「同盟国の議会の指導者が韓国安保の第一線を訪問するのに、肝心の韓国大統領とは何の会談もないというのは、いくら考えても望ましくない」、「中国の顔色をうかがっているためだと考えられるだろう」とも述べた。また、「韓米同盟を強調していた新政権の序盤からの一貫性のない外交は、韓国の国益にとって何の役にも立たない」、「尹大統領が今からでも考えを変えてペロシ議長に会うことを期待する」と付け加えた。

 与党ではこの日、李明博(イ・ミョンバク)元大統領が2008年7月の就任後初の夏休み中にクウェートのシェイク・ナセル首相(当時)の会談要請で休暇期間を1週間から5日に短縮した例まで語られつつ、尹大統領が休暇を理由にペロシ議長に会わないのは韓米同盟強化基調とも合わないとする指摘が相次いだ。

 同党のハ・テギョン議員も「(ペロシ議長の)台湾訪問直後なので(尹大統領は)外交的ストレスを感じるかもしれないが、台湾訪問と韓国訪問は別問題だ」と語った。ハ議員はこの日、フェイスブックで「ペロシ議長と大韓民国政府の議題は台湾問題では全くない。北朝鮮と核問題、韓米同盟などだ」とし、尹大統領はペロシ議長に会うべきだったと指摘した。匿名のある重鎮議員も本紙の電話取材に対し「半導体同盟、韓米軍事同盟など、懸案がどれほど多いか、大統領が休暇中だと言って米下院議長に会わないのは話にならない」と批判した。

 大統領室はこのような批判の声があがった後、尹大統領とペロシ議長が同日午後に電話会談を行うと発表した。チェ・ヨンボム広報首席はこの日午後のブリーフィングで、対面会談が実現しなかったことについて「米国側に事前に説明し、ペロシ議長側も状況を十分に理解した」とし、「しかし主要同盟国の議会の首長が訪韓しただけに、直接会談は難しくても、せめて電話であいさつとメッセージをやりとりするのはどうかという両国の意見交換があったため、本日午後に電話で会談するということでまとまった」と説明した。

 チェ首席は今回のペロシ議長との対面会談が実現しなかったことをめぐり「中国を意識したのではないか」との指摘があることについて「すべては国益を総体的に考慮して決定したもの」と述べた。ただし「国益を総体的に考慮した決定」の具体的な意味については「その答えはメディアの領域」だと答えた。

キム・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1053528.html韓国語原文入力:2022-08-04 17:04
訳D.K

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