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「慰安婦」被害者に対する侮辱発言の大統領秘書官、結局辞任へ

登録:2022-05-14 10:39 修正:2022-05-15 00:22
過去の発言もそのままに 
常識はずれの発言と抗弁
キム・ソンフェ大統領秘書室多文化宗教秘書官。背景写真は龍山の大統領執務室=大統領秘書室提供/聯合ニュース

 同性愛嫌悪発言や日本軍「慰安婦」被害者を侮辱する発言で物議をかもした大統領秘書室のキム・ソンフェ宗教多文化秘書官が、13日辞任した。尹錫悦大統領夫人のキム・ゴンヒ氏との親交関係で抜擢されたのではないかと話題となった後に過去の嫌悪発言が明らかになり、さらに釈明の過程で批判をふくらませ、事実上更迭されたかたちだ。尹錫悦政権の公職者の検証に穴が開いているという批判は避けられないものとみられる。

 大統領室の報道官室は同日午後5時50分、「大統領に迷惑をかけないようにするため、自ら辞任する」というキム秘書官の発言を伝える形で辞任を伝えた。キム前秘書官は過去の書き込みで「同性愛は精神病の一種」と主張し、また、日本軍「慰安婦」被害者の賠償要求を「花代(性売買の代価)」と表現した事実が明らかになり、批判を呼んだ。11日、自身のフェイスブックに「行き過ぎた表現については謝罪申し上げる」と投稿したが、自身に対する批判のことを「ダブルスタンダードを掲げる586(80年代に民主化運動に関わった人々)勢力と北朝鮮に追従する主体思想派を批判したことに対する報復」だと主張し、「同性愛は治療によって変わると考える」という嫌悪表現を繰り返した。「朝鮮時代の女性の半分は性の慰みものだった」という過去の寄稿が明らかになると、翌日またフェイスブックに「(朝鮮時代には)結局、女性人口の半分はいつでも主人である両班(ヤンバン)の性的快楽の対象だった」という誤った主張と抗弁で、再び世論の叱責を受けた。大統領室の参謀がSNSで個人の身上問題に対して抗弁し、波紋をさらに拡大させる行動は、非常に異例のことだった。大統領室内には、キム前秘書官の「SNS説話」が理解できないという雰囲気が漂う。大統領室の高官は「正式にSNS自制令を下したことはない」としながらも「(SNSの自制は)公職にいる人間の常識だ。個人的には問題があると思う」と述べた。

 さらに、キム前秘書官が2020~2021年に共に民主党のイ・ジェミョン前大統領選候補と文在寅前大統領について「従北(北朝鮮に追従する)左派」、「金日成首領主義」とし、イデオロギーのレッテル貼り非難していたことが本紙の報道で確認された。パン・ギムン前国連事務総長のファンクラブのコミュニティサイトに「従北化、組織暴力団カルテル化された文在寅・李在明集団から、誇らしい民主化運動の正統性を取り戻さねばならない」、「文在寅の『クッポン主義』(自国文化を過剰に誇り陶酔すること)は、金日成主義の追従作」、「“私たちを地上の楽園へと導いた金日成首領”を、文在寅首領に替えようとしている」と主張したもの。

 大統領室の参謀らはこの日午前、「キム秘書官の問題で世論が非常に良くない」とし、対策を議論したという。世論悪化のため、結局「辞任」へと舵を切ったものとみられる。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1042798.html韓国語原文入力:2022-05-13 21:59
訳C.M

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