原文入力:2010-02-05午後10:35:25(1099字)
保安法疑惑 7年懲役…20余年ぶりに再審で‘無罪’
"法治の最後の砦 役割果たせなかった"
ソン・ギョンファ記者
愛情関係のもつれによる謀略で国家保安法違反事犯に追いやられた事業家に20余年ぶりに無罪が宣告された。裁判所は原審裁判所が疑わしい情況をよく見れば無念な獄中生活を防げたのに 「法治主義を守る最後の砦としての役割を正しく遂行できなかった」と‘自省の弁’を述べた。
1982年米国に移民したキム・某(71)氏は韓国からキャビネットなどを輸入し売る仕事をした。キム氏は事業を通じて知ることになったカン・某氏と仲が良くなかった。カン氏は1989年、キム氏の夫人と内縁の女にキム氏をスパイに仕立てて報奨金を山分けしようと提案した。これらは江原道,洪川の軍部隊の写真を撮り、そのフィルムをキム氏のカバンに入れキム氏周辺に北韓関連パンフレットを持って行き置くなどし証拠を操作した後 当局に情報提供した。北韓関連パンフレットは暗号パンフレットに化け、治安本部(現在の警察庁)暗号専門家はキム氏と北韓に住む彼の叔母の名前が暗号に登場するというでたらめな解読結果を出した。検察はこれを根拠にキム氏を起訴し、キム氏は懲役7年を宣告された。
再審を引き受けたソウル高裁刑事6部(裁判長 パク・ヒョンナム)は5日、キム氏が調査過程で苛酷な行為にあい、証拠などが操作されたとして無罪を宣告した。原審裁判過程で別れたキム氏の前夫人が再審法廷で‘夫に対する背信’のために謀略をしたと証言したこと等が無罪判断の根拠となった。
裁判所は当時の警察の事件操作について「権限を乱用し個人の人権をじゅうりんし法治主義理念を傷つけたことはどんな論理でも容認されえない明白な犯罪行為」と叱責した。検察に対しても「‘国家安保に対する脅威の除去’という名分で憲法と法律が定める権利保障や適法手続きを無視することができるという認識を如実に現した」と批判した。
また裁判所は当時の原審の審理と判断に対し、「疑わしい点に関し十分な論議や深い審理がなされた情況は見当たらない」とし「刑事裁判の基本原則を裁判所が自ら傷つけ、法治主義を守護する最後の砦としての役割を正しく遂行できなかったという非難を免れ難い」と指摘した。
ソン・ギョンファ記者freehwa@hani.co.kr
原文: 訳J.S