原文入力:2010-02-04午前09:24:26(1671字)
堆積物浚渫 大丈夫
30余年産業化過程で多量に深く積もった可能性
どこにどれだけあるのか不確実…水に溶ければ‘毒性’
政府 "吸入式浚渫・防止膜設置で被害ない"
チョ・ホンソプ記者
←大邱達城郡,論工邑 達城堰を作るための仮防水工事現場で夜間作業のための照明塔が立っている。
昨年5月15日米国環境保護庁は歴史的なハドソン河浚渫を始めると発表した。ゼネラルエレクトリック(GE)社が1947年から30年間に流出した有害化学物質のPCBに汚染された9km区間の河川堆積物を今後6年間かけて汲み出すことにした。目を引くのは汚染事実が知らされ釣り禁止措置が下された後、浚渫に至るまで何と25年の検討期間がかかったという事実だ。
米国の事例は今後2年以内に全国4大河川の相当部分を大々的に浚渫するという政府の計画とは克明に対照される。主要河川の浚渫が慎重な理由は、河川底のどこにどれほど多くの汚染物質が積もっているか不確かなうえに、それが生物に及ぼす影響を予測することがかなり難しいためだ。
イ・サンドン中央大法大教授は 「去る30余年間の産業化過程で排出された多量の有害物質が堆積物形態で川底に隔離されていて、これを乱暴に掻き回すならば水質汚染と生態系破壊の時限爆弾に触れること」として 「ハドソン河の事例を再確認してみなければならない」と話した。
実際に表面は完全でも、堆積物中には汚染が激しい現象が容易に発見される。最近論難がおきている達城堰建設現場の堆積物を分析したキム・ジュァグァン釜山カトリック大環境工学科教授は 「1990年代中盤以後、きれいになった琴湖江の影響で表面の砂はきれいだったが、下に約2m深さの汚染された堆積層があった」とし「琴湖江流域のきちんと処理されなかった産業廃水の影響が深い堆積物内に残っている可能性がある」と話した。
今回の国立環境科学院のモニタリング結果で全般的に重金属と有害化学物質の汚染度が高くはないが、一部重金属と特定地点で高い濃度を示したこともこういう理由のためと見える。もちろんこの調査は堆積層の表面を中心に調査したものなので、4大河川事業で5~6mの深さに浚渫する時にはどんな結果がもたらされるかは誰も予想することができない。
浚渫で溶け出した重金属が上水源を汚染させるかも知れないという憂慮が提起されるや、国土海洋部は2日発表した報道資料で 「河川が酸性である時、一部重金属が少量溶けるものの自然状態で重金属の溶出は殆どない」と明らかにした。
しかし大々的浚渫で底に‘寝ていた’重金属が水中に溶け出すことがありうるという研究結果もある。ファン・ギョンヨプ韓国科学技術研究院博士らが洛東江堆積物中重金属の溶出可能性を調査した結果、夏の集中豪雨と台風などで堆積物がかく乱されれば重金属が溶け出す事実を明らかにした。
研究に参加したファン・インソン釜山大環境工学科教授は 「酸素がない地中では重金属が硫黄と結合し水に溶けないが、洪水などの理由でかく乱されれば酸素と化合し重金属の硫化物が水に溶ける形に変わる」とし「しかし重金属の溶出量が水質に大きな影響を及ぼすほど大きくはなかった」と話した。彼は浚渫で洪水が長期間続く状況を尋ねる質問に 「堆積物がかく乱されないよう浚渫をどれほど静かにするかに掛かっている」と答えた。
政府は陸上浚渫は仮防水の中でなされ水中浚渫は吸入式であることに加え、二重に汚濁防止膜を設置し泥水を遮断するので「水中に及ぼす影響はない」と自信を示すが専門家たちは懐疑的だ。水に溶けた重金属を、泥水もまともに濾過できない汚濁防止膜で抑えることはできないということだ。
チョ・ホンソプ環境専門記者 ecothink@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/402797.html 訳J.S