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"インターネット実名制, 実質的事前検閲" 憲法訴訟

原文入力:2010-01-25午後07:30:51(1714字)
インターネットユーザーら "匿名表現の自由侵害"
悪性リプライ 予防もできず…米・仏 匿名保障

ク・ポングォン記者,キム・ミョンジン記者

←パク・ギョンシン高麗大法学専門大学院教授(左)が25日午前、ソウル,鍾路区,通仁洞の参与連帯で「表現の自由と平等権,私生活を侵害する強制的インターネット実名制に対し憲法訴訟を提起する」と明らかにしている。右側はチャン・ヨギョン進歩ネットワーク活動家。キム・ミョンジン記者 littleprince@hani.co.kr

訪問者10万人以上のインターネット サイトにコメントを書こうとすれば、必ず実名と住民登録番号確認を経るようにする‘インターネット実名制’が基本権である‘匿名表現の自由’を侵害しているという憲法訴訟が提起された。
インターネットユーザー イ・某氏など3人は25日 「インターネット実名制は憲法が規定した言論出版の自由,私生活の自由,平等権を侵害している」とし、情報通信網法上の実名制(制限的本人確認制)に対する憲法訴訟審判請求書を憲法裁判所に出した。2007年に導入された情報通信網法のインターネット実名制に対する憲法訴訟は今回が初めてだ。

イ氏らは請求書で 「昨年末と今年の初めに動画サイトのユーチューブに匿名でコメントを残そうと試みたが‘本人確認制により韓国国籍設定時はコメントを書くことができない’というメッセージが表示され意見を陳述できなかった」とし「また<オーマイニュース>と<YTN>記事を読み匿名でコメントをしようとしたが実名登録なしでは不可能だった」と請求趣旨を明らかにした。

今回の憲法訴訟を支援している参加連帯公益法センターのパク・ギョンシン所長(高麗大法大教授)は「日帝支配下の独立活動家や軍事独裁時代の民主化人士のように匿名の文を書くことは思想の伝播という公益的役割を遂行してきた」とし「インターネット実名制は表現しようとするインターネットユーザーの識別情報を運営者が収集し、国家の要求時には提出するよう強制することにより、表現の自由を萎縮させ実質的な事前検閲として作用している」と主張した。

パク所長はエミリー・ブロンテが女性作家に対する偏見を避けるため<嵐が丘>をペンネームで執筆するなど、ボルテール,エミール・ゾラ,オー・ヘンリー,ベンジャミン・フランクリン,アイザック・ニュートンなど多くの作家と批評家が実名を隠したまま活動したと紹介した。1995年米国連邦裁判所はジョージア州のインターネット実名法に違憲決定を下すなど、匿名表現の自由を基本権として保障しており、フランスは2000年にインターネット上の匿名権を法律で保障した。

インターネット実名制は立法趣旨の‘悪性リプライ’予防機能もきちんと遂行できず、便法論議だけを招いている。当初一日訪問30万人以上の37ヶ サイトに適用されたインターネット実名制は、昨年4月から10万人を越える153ヶ サイトに拡大し、グーグルのユーチューブはインターネット実名制に反発して韓国国籍では動画とコメントを行うことができないようにし国際的話題になった。だが大統領府は相変らず登録者を‘韓国’でなく‘グローバル’に設定し李明博大統領のラジオ インターネット演説を2週に1回ずつ上げている。国家ブランド委員会もユーチューブで韓国広報用チャンネルを運営しており、25日ユーチューブで活動する39人のビデオジャーナリストとリポーターを選び授賞した。オ・ユンデ国家ブランド委員長はこれらに「国家の品格向上のためにデジタルとオンラインの強力な波及力を十分に活用し活動して欲しい」と注文した。国民が‘実名制’に遮られている中で、国家機構はこれを迂回し‘便法広報’をしている状況だ。

ク・ポングォン記者starry9@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/400947.html 訳J.S