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‘起訴権乱用’手術せず裁判所の粗捜しばかり

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/400838.html

原文入力:2010-01-25午前09:11:50(1658字)
[ニュース分析] 司法改革議論 軌道離脱
与党, 露骨な司法府たたき…親イ系議員 "所期の成果"

来年までに最高裁判事4人交替… "高位裁判官らに警告" 分析

ソク・ジンファン記者,ノ・ヒョンウン記者

カン・キガプ民主労働党代表と<文化放送>‘PD手帳’製作陣に対する裁判所の無罪判決に反発し、司法改革を叫んだハンナラ党がこれという改革案を出すこともないまま、それとなく手を引いている。これに対し学界と法曹界の一部では‘ハンナラ党が懸案の本質である検察の起訴権乱用には手を触れず政略的に利用しただけ’という批判が出てきている。

ハンナラ党党職を引き受けているある親イ直系議員は24日<ハンギョレ>との通話で「(司法改革世論喚起など所期の成果があり)司法府を直接問題にすることはこの程度の線で終える」としつつ「具体的な司法改革の方案と日程などは特別委で議論していく計画」と話した。当初の強硬態度とは違い、検察の‘無理な起訴’に免罪符だけを与えあいまいに退く姿だ。

ハ・テフン高麗大法学専門大学院教授は「(今回の論議の)核心は検察の起訴権乱用だが、むしろハンナラ党はこれを牽制した裁判所を問題にし、それすらも判決と関係のない裁判官人事問題を政治争点化した」と批判した。ハ教授は「ハンナラ党が‘左偏向の若い判事らが問題’と攻勢を浴びせたが今回の判決は明確な政治色のない10年以上の裁判官たちが行ったもので論理的にも矛盾」と指摘した。

法曹界内外からはハンナラ党が検察との癒着のためにこういう態度を見せているという分析が出ている。ハンナラ党には前・現職院内代表のホン・ジュンピョ,アン・サンス議員,事務総長を務めたクォン・ヨンセ議員,少壮派リーダー格であるウォン・ヒリョン議員など、検事出身議員が16人に及ぶ。参加政府時期に司法制度改革推進委員会で仕事をしたある要人は「当時ハンナラ党法司委員らは検察に不利な刑事訴訟法改正案にことごとく反対した」とし「その改正案は結局、原案から相当部分後退し国会を通過した」と話した。

現政権になってもハンナラ党は盧武鉉前大統領逝去後に民主党が提案した‘検察改革特別委’構成を無視した。最近も民主党が‘検察-司法府-弁護士など法曹3輪改革特別委’を提案したが、受け入れず‘若い裁判官’だけを問題にした。ソウル高等法院のある高位裁判官は「ハンナラ党が主張する‘経験ある裁判官’採用はすでに進行しており、ロースクール(法学専門大学院)卒業生が輩出されれば検事・判事も皆、弁護士経験者で満たすほかはない」とし「与党は当面の政治的利益でなくロースクール以後の我が国司法制度に対し真剣に考えなければならない」と忠告した。

最近の論議を与党の‘司法府馴らし’と見る視角もある。イ・ヨンフン大法院長の任期は1年6ヶ月しか残っておらず、今年1人と来年3人など4人の最高裁判事が2年内に交替させられる予定だ。これを意識して与党が最高裁判事を狙う高位裁判官らに事前に‘警告メッセージ’を送ったという解釈が出てくる。

こういう状況のために、今回の論議が‘司法改革’に続くと見る人々は多くない。すでに導入された国民参加裁判や公判中心主義,ロースクールなどに対する後続措置が至急必要だが、現政権スタート2年が過ぎようとしているが特別な進展がない。

ホン・ソンス淑明女子大教授(法学)は「政策批判勢力に対して‘公益の代表者’という検察が刑事処罰を試みることは先進国では殆ど見られない」としつつ「長期的に捜査権と起訴権の分離など、根本的な方案が議論されなければならない」と話した。

ソク・ジンファン,ノ・ヒョンウン記者soulfat@hani.co.kr

原文: 訳J.S