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韓国法相「出入国者の顔写真の民間業者提供は初耳…非常に驚いた」

登録:2021-10-22 06:41 修正:2021-10-22 07:32
「顔情報は出入国管理という最小範囲内で事業を進める」 
市民団体「前代未聞の情報人権侵害」…公益訴訟を準備 
パク・ボムゲ法務部長官が今月21日、国会法制司法委員会の国政監査で国会議員の質疑に答えている/聯合ニュース

 韓国法務部が「人工知能(AI)識別追跡システム構築事業」として韓国人と外国人の出入国者約1億7000万人の顔写真を本人の同意なしに民間に提供したことについて、パク・ボムゲ法務部長官は「出入国管理という最小範囲内だけで事業を進める」と述べた。情報人権団体は「すでに行われた事業だけでも前代未聞の情報人権侵害だ」と反発した。

 パク・ボムゲ長官は21日、国会法制司法委員会の国政監査で「(事業の存在について)今日初めて知り、非常に驚いた」とし、「私が知った以上、個人情報が濫用されないよう最小限の範囲内で事業を進める」と述べた。「法務部が空港入国者の顔情報をAI開発業者に提供した事実を知っているか」と尋ねた共に民主党のパク・ジュミン議員の質疑に対する答弁だ。パク長官は「科学技術情報通信部(科技情通部)と結んだ了解覚書(MOU)に基づいて進められた事業なので、事業自体の撤回や取り消しはできない。誤用や乱用の懸念について徹底的に留意し、問題発生防止に務める」と付け加えた。これに先立ち、本紙は前日、法務部と科技部が共同で、韓国人と外国人の顔画像など個人情報1億7千万件以上を当事者の同意なしに民間業者に提供した事実について報道した。

 法務部と科技情通部は同日午後、説明資料を出し、適法な情報収集と移管だと主張した。出入国管理法上、政府は当事者の同意なしに個人情報を収集・保存でき、民間企業に当該情報処理を託したことも、委託であるため違法ではないという従来の立場を維持したのだ。一方、両部処は民間企業が(これらの情報を)商業的に利用する可能性については「法務部は国家安全保障などを考慮し、(民間開発業者との)協議を通じて出入国審査管理目的にのみ利用範囲を制限する計画」だと述べた。

 民主社会のための弁護士会(民弁)や進歩ネットワークセンターなど情報人権団体は訴訟に乗り出す方針だ。これらの団体は「(当該事業は)すでに明らかな個人情報保護法違反だ。今回の事業で個人情報が活用された国内外の被害者と共に公益訴訟に乗り出す」とし、「政府に(当該事業の)即刻中止を求める」と主張した。

チョン・ホソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/1016154.html韓国語原文入力:2021-10-22 02:37
訳H.J

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