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真実の報道でも刑事処罰しうる「事実摘示名誉毀損罪」、廃止に向け議論=韓国

登録:2021-09-08 08:52 修正:2021-09-08 12:19
先月27日午前、全国言論労働組合などメディア現業団体が共同記者会見を開き、共に民主党に対して言論仲裁法改正案を撤回し社会的合意に取り組むよう求めている=キム・ヒョシル記者//ハンギョレ新聞社

 共に民主党が言論仲裁および被害救済等に関する法律(言論仲裁法)改正を強行し、言論の自由が侵害される恐れがあるという懸念が相次いだことで、同時に注目されたのは「事実摘示名誉毀損罪の廃止」の主張だ。真実の報道を理由に刑事処罰できる可能性も存在している状況で、懲罰的損害賠償まで規定するのは行き過ぎだという指摘だった。メディア界の批判が高まると、与党は最近、この条項を廃止する刑法改正案を発議し、今回の通常国会で改正案を処理する方針だ。

 事実摘示名誉毀損罪は刑法307条1項に明示されている。虚偽でない事実を摘示しても、誰かの名誉を毀損した場合2年以下の懲役または500万ウォン以下の罰金刑を受ける。このため、「MeToo」や「パワハラ被害」を暴露しても、加害者に告訴された場合は処罰を受けなければならない可能性があった。メディア報道においては「公共の利益のみに関しては処罰しない」という違法性阻却事由があるものの、真実の報道をしても起訴される場合があり、無罪判決を受けるためには裁判で「公益性」を認められなければならない状況だった。このため、2011年に国連人権委員会、2015年に国連傘下の市民的・政治的権利に関する国際規約委員会が、韓国政府に対し事実摘示名誉毀損罪規定の廃止を勧告した。今年2月の憲法裁判所の憲法訴願事件でも、裁判官5(合憲)対4(違憲)の意見で事実摘示名誉毀損罪は辛うじて生き残った。ユ・ナムソク、イ・ソクテ、キム・ギヨン、ムン・ヒョンベの4人の裁判官は「公的事案などにおいても、真実の事実摘示に関する表現行為を名誉毀損罪の構成要件に含めれば、国民の表現の自由と知る権利が形骸化する可能性がある」と指摘した。

 今年7月、全国言論労働組合・韓国記者協会・放送記者連合会・韓国PD連合会は、民主党がメディア報道による被害救済策として言論仲裁法の改正構想を明らかにすると、事実摘示名誉毀損罪の廃止を主張した。「民事上の損害補てん制度があり、これを根拠に言論仲裁法でメディア報道による被害の倍額賠償制を導入しようとするなら、憲法上過剰禁止原則に違反する余地のある刑法の名誉毀損罪を廃止すべきだ」という主張だった。メディア関連団体が言論仲裁法改正強行に反対し、事実摘示名誉毀損罪の廃止を言論改革の先行課題のように提示すると、民主党は一歩遅れて改正案を発議した。キム・ヨンミン、パク・チュミン議員が7~8月にそれぞれ発議した事実摘示名誉毀損罪の廃止を含めた刑法改正案は、現在、国会法制司法委員会に係留中だ。

 民主党は、言論仲裁法改正案を論議する与野党協議体とは別に、国会法制司法委員会で事実摘示名誉毀損罪の廃止に向けた刑法改正案の審査に着手する方針だ。ユン・ホジュン院内代表は2日、国会で開かれた政策調整会議で「言論改革はこれからが始まりだ。メディア界が要請している事実摘示名誉毀損罪を存置するかどうかについても議論していく」とし、立法を急ぐ考えを示した。民主党メディア革新特別委員長のキム・ヨンミン議員も7日、本紙の電話取材に対し「事実摘示名誉毀損罪から廃止すべきだということについて、与野党の意見は一致している状況」だとし「通常国会内に迅速に処理する予定」と述べた。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1010880.html韓国語原文入力:2021-09-0808:18
訳C.M

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