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韓国、新規感染者の3人に1人がデルタ株…今月中に半分以上占める「優勢」となるか

登録:2021-07-21 06:28 修正:2021-07-21 08:52
今月20日、ソウル駅臨時選別検査所の様子/聯合ニュース

 先週1週間、韓国国内の新型コロナ新規感染者の3人に1人が、主な変異ウイルスの中でも最も感染力の高いデルタ株に感染したことが分かった。特に、首都圏を中心に広がっていたデルタ株が江原道江陵(カンヌン)などの休養地でも広がっており、デルタ株が今月中に全体ウイルス分布の半分以上を占める“優勢変異株”になるものとみられる。20日午後6時現在、全国の新規感染者数は1469人で、翌午前0時までの24時間で過去最多の1614人を上回る見通しだ。

 中央防疫対策本部(防対本)は20日、先週11~17日にPCR検査を行った国内の新規感染者2124人のうち、1001人から主な変異株が検出され、検出率が47.1%だったと発表した。国内の新規感染者の約半数ほどが主な変異株に感染したのだ。なかでもデルタ株の感染者は719人で、デルタ株の検出率は33.9%に達した。直前の週(4~10日)の23.3%より約10.6ポイントも増えた数値だ。首都圏のデルタ株検出率も、直前の週の26.5%から36.5%に10ポイント上昇した。アルファ株の検出率は13.3%(282人)だった。

 問題はデルタ株が首都圏以外の地域にも広がっているという点だ。19日から首都圏以外の地方自治体の中で唯一、レベル4の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を適用している江陵では、14日から20日0時までの1週間で111人の新規感染者が発生したが、標本調査でデルタ株の検出が確認された。江陵市のキム・ハングン市長は18日、「現在江原道が疾病管理庁に変異検体の依頼をした結果によると、標本検査でデルタ株が60%以上を占めていることが分かった。江陵の場合は(変異検体の)標本調査ですべてデルタ株であることが確認された。現在急速に広がっている変異ウイルスはデルタ株と推定される」と述べた。江原道保健環境研究院の関係者は同日、本紙との電話インタビューで、「束草(ソクチョ)や襄陽(ヤンヤン)などの地域はまだ少ないが、江陵の場合、デルタ株が検出される件数が増えている」と話した。

 防疫当局はデルタ変異株の優占化が加速化するとみている。防対本の イ・サンウォン疫学調査分析団長は「デルタ株は高い感染力を持っているため、個人的な伝播であれ、感染者同士の伝播であれ、集団感染事例であれ、(流行に)影響する割合はますます高まるだろう」とし、「デルタ株が優勢となるのもますます加速化すると思う」と説明した。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)も「現在の変異株の割合は1週間前の値である上、集団発生事例は全部を検査しないため、今の数値は過小推定されている」とし、「デルタ株が今月内には優勢となるだろう」と述べた。

 致命率は下がり続けている。月別の致命率は、第1波の昨年3月に2.87%で最も高く、第3波の昨年12月(2.70%)が2番目に高かったが、ワクチン接種後の先月は0.24%だった。同日午後6時現在、全国で発生した新規感染者は計1469人で、過去最多だった13日(1306人)より多く発生したことが分かった。

 一方、新規感染者数が100人台に近づいた釜山市(プサンシ)は、21日午前0時から改編された「社会的距離措置」をレベル2からレベル3に引き上げることにした。

ソ・ヘミ、キム・グァンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1004388.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2021-07-21 02:09
訳H.J

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