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韓国外相「中国の人権問題は韓中関係の特殊性を考慮し、言及控えた」

登録:2021-05-27 05:55 修正:2021-05-27 07:39
韓米首脳共同声明の「台湾海峡」言及に対する中国の反発を受け 
韓国政府、「一つの中国原則を尊重」を再確認
チョン・ウィヨン外交部長官(中央)とクォン・ドクチョル保健福祉部長官(右)、ムン・スンウク産業通商資源部長官(左)が今月25日、外交部で大統領訪米の成果を発表するため、会見場に移動している/聯合ニュース

 チョン・ウィヨン外交部長官が25日、「韓中間の特殊関係に照らして韓国政府は中国内部の問題に対する具体的言及を控えてきた」とし、韓米首脳会談の共同声明に中国の人権問題を反映しなかった理由について説明した。共同声明に言及され、中国が反発している台湾海峡問題については、「原論的かつ原則的な内容」だと強調した。

 チョン長官は同日午前、政府ソウル庁舎別館の外交部で開かれた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪米成果を説明するためのオンライン記者会見で、「中国問題に関しては、国際社会で様々な議論があるのが事実」だとしたうえで、「韓国政府の立場が今回の共同声明にもそのまま反映された」と述べた。今回の共同声明文案の調整過程で、北朝鮮の人権問題が言及された一方、新疆ウイグルや香港など中国の人権問題が反映されない理由は何か」という取材陣の質問に対する答弁だった。

 チョン長官は北朝鮮の人権問題が共同声明に言及されたことについては、「北朝鮮問題は韓国政府も直接当事者であるため」だとし、「北朝鮮の人権問題に対する立場というよりは、北朝鮮内の人権状況を改善する方向で努力するという肯定的な内容の文言を入れた」と説明した。共同声明で韓米首脳は「北朝鮮の人権状況を改善するために協力することに同意し、最も助けを必要とする北朝鮮住民に対する人道支援の提供を引き続き促すことを約束した」と述べた。

 チョン長官は韓米首脳が初めて「台湾海峡」問題に言及し、中国の反発を買ったが、「韓国政府は両岸関係の特殊性を十分認識している。こうした韓国政府の立場は変わっていない」と述べた。そうした基調を維持しつつ、「台湾海峡の平和と安定が重要だという非常に原論的かつ原則的な内容のみ共同声明に入れた」と説明した。これに先立ち中国側は韓米首脳共同声明に「台湾海峡での平和と安定維持の重要性を強調」した文言が含まれたことに関し、24日に行われた外交部の定例記者会見で「台湾問題は純粋な中国の内政であり、いかなる外部勢力の干渉も容認できない」とし、「関係国は台湾問題に対して言動に慎重を期し、火遊びをしてはならない」と反発した。

 これと関連し、チェ・ヨンサン韓国外交部報道官は同日午後の定例記者会見で「台湾問題に関する韓国政府の立場には基本的に変わりがない」と確認したうえで、「我々は基本的に『一つの中国』原則を尊重するという原則の下、関連政策を施行している」と述べた。台湾問題をめぐり論議が広がる兆しを見せたことを受け、「一つの中国原則を尊重する」という基本立場を繰り返し確認したのだ。チェ報道官はさらに「今回の共同声明に対する多くの内容は特定の国の特定の懸案を狙ったものではない」とし、「我々が一般的に追求する普遍妥当な原則的な価値を示したもの」だと説明した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/996578.html韓国語原文入力:2021-05-25 15:23
訳H.J

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