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弘大前‘小さな龍山’ツリバン(撤去民運営食堂)の戦い

原文入力:2010-01-08午前08:20:19
東橋洞民間開発 撤去現場, 真冬の厳寒に借家人追い出し
"権利金1億で開業したが3百万ウォンで出て行けと言うので…"
食堂内で単独篭城 13日目

キム・ヨンギ記者,キム・ミョンジン記者

←小説家ユ・チェリム氏が7日午前、地区単位計画で撤去が始まったソウル,麻浦区,東橋洞の自営ツリバン食堂後の撤去現場を見ている。 キム・ミョンジン記者littleprince@hani.co.kr

クリスマス前日の先月24日午後4時頃、営業準備の真っ最中だったソウル,麻浦区,東橋洞の弘益大付近アン・ジョンニョ(52)氏の食堂‘ツリバン’に、がっしりした男たち20人余りが押しかけた。彼らはテーブルと椅子,調理器具などを片っ端から持ち出した。食堂にはアン氏とアルバイト店員など女2人だけだった。男たちはアン氏を外に追い出し、食堂周辺に鉄板で覆った。
"こんなに寒い日、それもクリスマス前日に突然押しかけるやり方は想像もできなかった。" そのまま座り込むことはできなかったので、アン氏は翌日明け方、用役たちがしばらく席を外した間に鉄板をはがし食堂内に入った。電気も切られたところにスチロフォームを敷いたまま座り込みを始めた。

数日後‘龍山惨事’交渉が妥結したという便りが聞こえてきた。アン氏は直ちに麻浦区庁を訪ね区庁都市管理局長に「頼むから冬期撤去はやめさせてくれ」とお願いした。しかし「区庁の権限ではない」という返答を聞いただけだ。

座り込み13日目の7日午後。アン氏の食堂は爆撃を受けたような姿だった。食堂の一方に積み上げたラーメン箱の上でロウソクのあかりがポツンと乗っていた。夫の小説家、ユ・チェリム(50)氏と彼が属している韓国作家会の会員たちが訪ねてきて、篭城を援助している。座り込み場の後方ではフォーククレーンがひっきりないしに空き家を強くひねり潰しアン氏を威嚇していた。

アン氏の食堂は東橋洞‘麻浦地区単位計画’撤去地域にある11ヶ所の借家人の中で最後に残った。2年余りの交渉過程で疲れ果てた他の借家人たちは最近800万~2100万ウォンの移住補償費を受け取り去った。ところがアン氏はそうはできなかったという。

5年前の2005年3月、アン氏はこちらにツリバン食堂を開いた。権利金1億ウォンはチムジルバン(韓国式サウナ)清掃などで用意した。熱心に仕事をしていた2007年11月、突然‘内容証明書’一通が飛びこんできた。新しい建物主が‘建物が売れたので店を空けてくれ’と言ってきた。以前の建物主とは2008年3月までの契約になっていたが、建物主が変わり契約期間まで終わってしまい‘賃貸借保護法’の保護も受けることができなかった。こちらは2006年ソウル市の地区単位計画区域に含まれた。近所に軽電鉄が開通するという便りに住居価格が高騰した。

"新しい建物主は当初は移住費として300万ウォンをくれるといいました。しかし、権利金も受け取れない状況で、このお金では新しい場所を見つけることができません。持ちこたえる他はありません。"

特にこちらは公営再開発地域ではなく民間事業者が撤去する所なので、龍山惨事以後に改正された‘都市および住居環境整備法’(都整法)の保護も受けることができない境遇だ。

アン氏のように借家人たちが‘小規模民間開発’過程で補償金をきちんと受け取ることができない事例が少なくないというのが専門家たちの指摘だ。ナム・チョルクァン‘分かち合いと未来’住居事業局長は「建物主が建物を新しく建たり売って、借家人たちが補償をきちんと受け取れないことは珍しくない」として「私人間の関係だからと法的保護を受けられないためだ」と話した。
アン氏の願いは商売ができるようにしてくれということだ。しかし、新しい建物主側は‘法律通り’を主張している。再開発を推進中のナムジョンD&Cの幹部は「アン氏がこの間に無理な要求をし交渉にならなかった」とし「まだアン氏に提案してはいないが、保証金(1200万ウォン)の2倍程度までは補償を検討することができる」と話した。真冬の撤去と関連しては「撤去案内文を2度も送り工事遅延でわが方の被害も大きくなり仕方なかった」と話した。

キム・ヨンギ記者ykkim@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/397773.html 訳J.S