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服は買わないのが「最高のエコ」…衣類産業、世界のCO2排出量の10%を占める

登録:2021-05-04 06:22 修正:2021-05-04 08:06
ファーストファッションを拒否して新しい服を買わない「ノーショッピング」
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 世界衣類産業で毎年排出する二酸化炭素は世界全体の排出量の10%を占める。服を作る時に使われる水の量は、年間1兆5000億リットルに達すると推定される。こうして生産される服の多くは、「ファーストファッション」という名にふさわしく、素早く生産・販売され、ほとんどが数回の着用後に捨てられる。

 今年1月、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんは「新しい服を買わない」と宣言した。周りに「着ない服があるか、借りられるかを聞いてみる」と述べた。韓国国内でも気候危機やゼロ・ウェイスト(ごみの最小化)への社会的関心が、不要な服の消費やファーストファッション文化を避ける動きへとつながっている。服を買わない「ノーショーピング族」も登場した。季節が変わると廃棄物になる衣類を見て、過度な消費をやめようと考えた人ちだ。インスタグラムなどSNSやユーチューブなどには買い物を減らす努力を記録したり、関連情報をシェアする書き込みが増えている。

 小学生と幼稚園児の子どもを持つカン・ギョンミさん(39)もノーショーピング族だ。2016年ごろから新しい服を買っていない。カンさんは「子どもができてから、買わなければならない服や物が以前の10倍にはなったような気がする。服を捨てる度に、自宅からはなくなるけれど、地球のどこかにゴミとして積もっていくと思うと、気が重かった」と話した。さらに「自分の子どもが暮らしていく環境を汚しているような気がして、不要なものは買わないと決めた」と語った。保育士のチョ・ソンアさん(34)は、5年前から薄手のTシャツを買うだけだったが、今年は一切服を買っていない。チョさんは「昨年タンブラーを持ち歩いたり、固形シャンプーを使ったりして、自分なりに生活の中でチャレンジを行った。環境を守るために始めたのだが、製品を買う度についてくるエコバッグが増えるのを見て、これが果たしてエコなのかという疑問が残った。その時から生活を含め、不要な消費そのものをやめなければならないと思った」と話した。

新しい服を買わない「ノーショッピング」族のイ・ヘナさん(34)とチョ・ソンアさん(34)。写真の中の服は、友人と交換した服や古着、父親のシャツと弟のズボンなどだ//ハンギョレ新聞社

 彼らは新しい服を買う代わりに長く着るか、知り合いと交換したり、古着を買う方を選ぶ。2018年末から衣類の購入をやめたという会社員のイ・ヘナさん(34)は、家族や知人と服を交換したり、中古取引プラットフォームを利用している。イさんは最近、ユーチューブに「3年目のノーショッピング族のクローゼット公開」、「2年間服を買わずに生活した方法」などのコンテンツを掲載し、ノーショッピングのノウハウを紹介した。彼女は「自分にはあまり似合わなかった服を、友達が上手に着こなせたりすると、その服の本当の持ち主に巡り合ったようでうれしい」と語った。チョさんも「服の数が決まっているので、むしろいろんなスタイリングを試みるようになった。ジャケット1枚でも、合わせるアイテムによって全く違う服に見えることもある。服をあまり持っていないのに、『衣装持ち』と言われることもある」と話した。

 衣類廃棄物を減すための試みだったのに、意外な効果もあったという。ショッピングを通じて自分の好みが分かるという通念に反して、消費を減らしたことで、自らをよりよく知ったというのだ。イさんは「持っている服をできるだけ活用しようとしているうちに、意図せず自分についてよく考えるようになった。どんな服が似合うのか、どんな色が似合うのか、自分の体型や好みが分かるようになった」と語った。「これまで自分の好みではなく、流行や広告に流されて買ったものが多かったことに気づいた」というのだ。

 「衣類のゼロ・ウェイスト」キャンペーンを行うスタートアップ「タシイプタ(再び着る)研究所」は昨年7月、クローゼットの中に眠っている服がどのくらいあるのかを調査した。同研究所のチョン・ジュヨン代表は「平均10着のうち2着(21%)程度の服がタンスの肥やしになっている。衣類の消費を環境保護の観点から見直す必要がある」と述べた。

キム・ミンジェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/993657.html韓国語原文入力:2021-05-04 00:25
訳H.J

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