本文に移動

証人として法廷に立ったイ・ヨンスさん「慰安婦ではない…私は朝鮮の女の子でした」

登録:2020-11-12 06:25 修正:2020-11-12 09:38
日本政府に対する賠償裁判で被害事実を供述
日本軍慰安婦被害者のイ・ヨンスさんが今月11日午後、ソウル瑞草区のソウル中央地裁で開かれた日本政府に対する損害賠償請求訴訟の最後の弁論期日に証人として出席した後、法廷を出る際に取材陣の質問に答えている/聯合ニュース

 「慰安婦ではありません。私は朝鮮の女の子でした。そのような子が大韓民国の老人になって(法廷に)来ました。国対国で解決すると言われてずっと待ちましたし、法を信じて期待していました。なのに、どうして4年経っても何もしてもらえないのですか?」

 2016年、元日本軍「慰安婦」被害者たちが日本政府を相手に損害賠償を韓国裁判所に請求してから、4年後にようやく最後の裁判を受けることになったイ・ヨンスさんが法廷でこう話した。事件の原告はイさんとキル・ウォノクさんら被害者と遺族20人だ。11日、ソウル中央地裁民事15部(ミン・ソンチョル裁判長)の審理で開かれた裁判で、イさんは自分の被害事実と解放後の経験を淡々と語った。14歳の時、台湾に駐屯した日本軍に強制動員されたイさんは「軍人に助けてくれとお願いしたが、“朝鮮人”を殺すと脅された。許してくれと懇願し、何度も『お母さん』と言ったことを覚えている」と述べた。「光もなく、真っ暗で(そこが)どこなのかも分からない」状況だった。解放後、故郷の大邱(テグ)に戻ってからも、自分の身に起きたことを誰にも話せなかった彼女は、あるメディアを訪れ、友人の経験でもあるかのように被害事実を話す決心をして、「その時、ユン・ミヒャン(現共に民主党議員)さんに打ち明けた」と語った。イさんは自ら書いてきたメモを取り出して最後の供述を残した。「切実な気持ちで韓国の裁判所に訴えます。日本は私たち被害者が生きているときに謝罪・賠償しなければ、永遠な戦犯国家として残るでしょう」

4年間、事件を代理したイ・サンヒ弁護士は「普段、イさんは、本人は慰安婦ではなく『イ・ヨンス』だとおっしゃってきましたが、それはイさんが、一人の人間としてこの社会で認められることを望んでいるがための努力ではないかと思う」とし、「今回の裁判は被害者の権利救済のための最後の手段」だと強調した。今回の事件の判決日は来年1月13日だ。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co)

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/969569.html韓国語原文入力:2020-11-12 02:44
訳H.J

関連記事