新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザの同時流行の懸念が大きい中で、二つの呼吸器感染病を同時に診断できる試薬が韓国で初めて正式に許可を受けた。
食品医薬品安全処は3日「新型コロナとインフルエンザの同時診断試薬の製品1種を正式に許可した」として「許可を受けた同時診断試薬は、咳、のどの痛み、発熱などの症状が似ていて区分が容易でない新型コロナとインフルエンザを同時に診断できる遺伝子増幅診断(RT-PCR)方式の製品」と明らかにした。疾病管理庁は2月、大邱(テグ)・慶尚北道で新型コロナとインフルエンザに同時に感染したケースが3人あったと把握している。
韓国での使用許可を受けた製品のメーカーは、(株)コジェンバイオテクだ。食品医薬品安全処は、この製品を用いて感染が疑われる患者の分泌液などの検体を検査すれば、3~6時間以内に新型コロナまたはインフルエンザへの感染の有無を判断できると明らかにした。「検査時間を大幅に短縮させたことで患者の便宜は高まり、医療関係者の負担は減らせるという点に大きな意味がある」というのが食品医薬品安全処の評価だ。
中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長は前日の定例ブリーフィングで「同時診断キットが食品医薬品安全処の許可を受ければ、主に選別診療所を中心に使うことになると判断しており、保険点数をどのようにするかについて保健福祉部と協議中」と明らかにした。これと関連して、食品医薬品安全処のヤン・ジニョン次長はこの日「既存の新型コロナ診断試薬とは異なり、インフルエンザについても診断されるので、既存の診断キット価格よりは高い価格に策定されるのではないかと思う」と話した。
これまで新型コロナとインフルエンザを同時に診断できる試薬は、輸出用にのみ存在した。同日現在、食品医薬品安全処の許可を受けて輸出された新型コロナ診断試薬のうち、製品は合計197個、このうち新型コロナ・インフルエンザ同時診断試薬として輸出された製品は13個だ。食品医薬品安全処のチョン・ヒョンチョル医療機器審査部課長は「輸出用は輸出先の国家の許可を別途受けるため、国内の許可手続きは簡素だが、内需用の試薬は食品医薬品安全処から臨床的性能試験に対する承認を経なければならないため許可までに時間が長くかかる」と説明した。