ロト(宝くじ)の販売量が増え続けている中、ロトの販売権を違法で取引して摘発される事例が急増している。韓国政府は障がい者と基礎生活受給者(生活保護受給者)などの優先契約対象者と次上位階層(基礎生活受給者ではないが、その上の低所得階層)にロト販売権を与えているが、費用などの問題で実際に宝くじ売り場を開くには困難があるからだ。
21日に共に民主党のキム・ジュヨン議員が「ハンギョレ」に公開した企画財政部の国政監査資料によると、違法にロト販売権を取引して営業し、地方自治体に摘発された件数は、2016年の5件から昨年は339件へと急増した。ロト販売権受託業者である「トンへン宝くじ」と販売契約を結ばず、第3者から販売権の譲渡を受けるなどの方法で営業をした場合、「宝くじ及び宝くじ基金法」(宝くじ法)により、1年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金刑に処される。しかし、オンラインコミュニティなどでは、宝くじの販売権の取引についての書き込みを簡単に見つけることができる。
政府は脆弱階層の経済的自立を支援するため、障がい者や一人親家庭の世帯主、国家有功者、基礎生活受給者などに限り、ロトを販売できる資格を与えている。しかし、制度の趣旨とは裏腹に、脆弱階層が運営する宝くじ売り場数は最近減っている。企財部の資料によると、脆弱階層の宝くじ売り場の数は、2015年の2536カ所から2017年には3595カ所まで増えたが、昨年は3472カ所に減った。ロト販売権を獲得しても、売り場を確保できず放棄するケースも40%にのぼる。ソウル西大門区(ソデムング)でロト売り場を運営する店主は「ロト売り場も立地条件がよくなければならないが、立地条件が良い場所はテナントの賃料が高く、2015年に6千カ所だったロト売り場が最近7千カ所にまで増え、収益も減った」とし、「障がいのある方たちは一日中ロトを販売するのが難しく、権利を手放すケースも多い」と伝えた。
キム議員は「経済的自立のために脆弱階層に宝くじ販売権を与えているが、むしろ経済的理由で売り場を開くことができないケースが多い」とし、「販売権を与えられた脆弱階層が実際に売り場を開設できるよう、宝くじ基金から支援、融資を行うなど、政策を設けなければならない」と指摘した。