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月城原発1号機早期閉鎖の監査報告、“脱原発政争”だけを残した

登録:2020-10-21 04:12 修正:2020-10-21 07:46
監査院「稼働継続の経済性が低評価された」 
385日を経て監査結果は出したものの 
早期閉鎖の妥当性は判断せず
ソウル鍾路区三清洞の監査院庁舎/聯合ニュース

 監査院は20日、韓国水力原子力(韓水原)の月城(ウォルソン)1号機の早期閉鎖決定の過程で、経済性が不合理に低評価されたと発表した。月城1号機の早期閉鎖決定の妥当性そのものについては判断を下していない。当初、経済的妥当性に焦点を当てていた今回の監査が、文在寅(ムン・ジェイン)政権を支持するか否かや、チェ・ジェヒョン監査院長の発言をめぐる激しい陣営間の争いへと拡大したことは、脱原発政策に対する国民的共感を得る作業がそれだけ難しい課題であることを示している。

 監査院は、この日公開した『月城1号機早期閉鎖決定の妥当性点検』と題する監査報告書で、販売単価と費用算定の過多と結論付けた。韓水原が原発すべての利用率(84%)を基準とすれば、期待単価は実際の販売単価より低く推定されることを会計法人が知りながら、これを補正せずに使わせ、電気販売収益が低く算出されるようにしたというのだ。一方、月城1号機を直ちに稼動停止した場合に減少する人件費や修繕費などのコストは多めに推定したと説明した。

 しかし監査院は、月城1号機の早期閉鎖決定の妥当性については判断を下さなかった。韓水原の取締役会が経済性評価の結果などを根拠として、2018年6月に月城1号機の早期閉鎖および即時稼動停止を議決したとし、「月城1号機の即時稼動停止決定の過程と経済性評価の適正性を中心に点検」したというのだ。そして「(韓水原)取締役会の議決内容によると、月城1号機の即時稼動停止決定は、経済性の他に安全性や地域の受け入れ度などを総合的に考慮したということなので、今回の監査結果を月城1号機の即時稼動停止決定の妥当性に対する総合的判断とみなすには限界がある」と付け加えた。文在寅政権によるエネルギー転換政策も監査の範囲外とした。

 いっぽう監査院は、月城1号機の早期閉鎖決定の「過程」についての監査を行った。ペク・ウンギュ産業通商資源部長官(当時)については、経済性が不合理に低評価されたことを知りつつも、これを放置したことを理由として「厳重な人事措置が必要」と指摘した。韓水原の取締役たちが早期閉鎖の決定を下したことについては、背任に当たるとはみなせないと主張したが、監査院の監査に備えて関連資料の削除などを行い、監査院の監査を妨害した産業部の公務員2人については、国家公務員法に基づく懲戒を求めた。

 1983年から商業運転に入った月城1号機は、韓国初の加圧重水炉型原発、かつ国内で2番目に古い原発で、2012年11月に30年の設計寿命を終えて稼動が停止された。しかし、朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年2月、原子力安全委員会から10年延長の継続運転許可を受け、その年の6月に運転を再開した。しかし2018年6月に韓水原理事会で閉鎖決定が下された。月城1号機の早期閉鎖決定は、脱原発を公約に掲げた文在寅政権の象徴的処置だった。しかし、早期閉鎖の妥当性評価の過程で一部の数値が操作されたという疑惑が提起され、昨年9月の国会による監査要求で監査院の監査が始まった。

 監査院は385日をかけて結論を下したものの、早期閉鎖決定の妥当性を「総合的に」は判断しなかったため、依然として論争は残っている。韓水原取締役会が月城1号機の閉鎖決定を下した当時、月城1号機の寿命延長決定は違法という一審判決が出ているうえ、すでに原発の安全性、住民の受け入れ度などが総合的に考慮された判断だったという指摘も出ている。脱核法律家の会「ひまわり」代表のキム・ヨンヒ弁護士は「監査院の監査が経済性だけを検討し、安全性を検討していないというのは、出発からして誤った監査だったということを物語っている」と批判した。今後、設計寿命の尽きた原発を閉鎖するたびに、賛否を巡る議論が再燃する可能性がある。今後10年以内に古里2~4号機、ハンビッ1~2号機など、10機の原発の設計寿命が満了する予定となっている。

 特に今回の監査は、かつて例がないほど政治争点化し、論議が沸騰した。チェ院長の「支持率41%の大統領」発言を頂点として、与党はチェ院長の中立性を問題視し、野党は政府与党による「外圧」疑惑を提起し続けた。監査院会議の内容や監査内容の一部が外部に漏れ、監査院の公正性も損なわれた。

 しかしエネルギー専門家たちは、全世界的には脱原発の流れが大勢であるだけに、文在寅政権のエネルギー政策の大枠は変わらないだろうと見通している。産業部もこの日夕方、報道資料を発表し「今後もエネルギー転換政策を揺るぎなく推進していく」と明らかにしている。

キム・ジウン、パク・キヨン記者、キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/administration/966535.html韓国語原文入力:2020-10-20 20:38
訳D.K

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