25年間運営しても85億ウォン(約7億5300万円)の損失を出すとみられている韓国電力のインドネシア・ジャワ石炭火力発電所9、10号機への投資が、26日に開かれる韓電の取締役会で承認される可能性が高いことが確認された。温室効果ガス排出の主犯とされる石炭火力発電に対する投資決定が行われた場合、気候変動への対応に逆行する韓国のいわゆる「気候悪玉」イメージがさらに強まることが懸念される。
韓電取締役会に出席する複数の関係者は23日、ハンギョレに対し、韓電のインドネシア・ジャワ石炭火力9、10号機への投資が26日の取締役会に案件として上程されるだろうと明らかにした。韓電は昨年11月と今年1月の取締役会で同案件を承認しようとしたが、批判に押されて延期している。しかし今回は取締役会で承認される可能性が高いという見通しが出ている。
ジャワ9、10号機は、インドネシアが総事業費35億ドルを投じてジャカルタの近くに建設しようとしている2000メガワット級の超々臨界圧石炭火力発電所で、韓電は5100万ドルの株式投資と2億5000万ドルの株主ローン保証で参加する計画だ。また、国内からは斗山重工業が施工会社として参加し、輸出入銀行や貿易保険公社などの金融機関が約14億ドルの融資を提供する計画だ。
韓電のジャワ9、10号機への投資計画は、昨年10月に公開された韓国開発研究院(KDI)の予備妥当性調査で、883万ドル(約106億ウォン)の損失を出すと分析されている。このため韓電は事業計画の一部を変更して、KDIに再び予備妥当性調査を申請したが、先週、共に民主党のキム・ソンファン議員室が公開したその結果報告書によると、損失規模が若干減ったに過ぎず、依然としてマイナス損益事業という判定は変わっていない。
韓電は、海外事業を通じて単に収益の創出を求めるだけでなく、民間企業との同伴成長を追求し、産業競争力の強化に貢献するという立場だが、国際社会の批判的な視線による国家イメージの悪化を考慮すれば、小利を貪り大利を失う結果となり得る。
韓国の海外への石炭投資計画は、国際環境団体はもとより、投資家たちも注目している。米国の熱帯雨林行動ネットワークをはじめとした9つの国際環境団体は22日、米日刊紙ワシントンポストに、石炭火力発電所の煙突に文在寅(ムン・ジェイン)大統領の顔と「これが韓国のグリーン・ニューディールか?」というコピーを入れた全面広告を掲載し、韓国の海外石炭投資計画を批判した。世界最大の資産運用会社ブラックロックは、売上の25%以上を石炭火力発電から得ている企業に対する投資の撤回を発表後、第1四半期の投資報告書で「韓電に対し、海外石炭事業に参加する戦略的根拠の提示を要求した」と明らかにしている。また、世界的な投資家たちが参加するアジア投資家グループ(AIGCC)も、韓電の海外石炭事業に対する懸念を公式に表明している。これより以前の今年3月には、環境運動家でもあるアル・ゴア元米副大統領が文在寅大統領に手紙を送り、韓国の海外石炭投資の中止を要請している。