新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染リスクが高いか雇用が不安定な職業群に主に携わる女性たちにより大きな影響を及ぼすため、このようなジェンダー格差を考慮した支援政策が必要だという指摘が出ている。このため、性別や職業による疫学調査のデータを蓄積し、介護労働の公共性を強化する政策をまとめるべきだという要求が相次いでいる。
市民健康研究所のキム・ミョンヒ健康公平性研究センター長は1日、討論会「感染症のリスクと性認知的保健医療政策の必要性」で、「現在までCOVID-19の死亡率は男性が高いが、感染リスクが高かったり失業するリスクのある職業群には女性が従事している場合が多い」とし、「COVID-19の長期的な影響は女性により高リスクとして作用する」と述べた。キム・センター長は統計庁の人口総調査(2015年基準)に基づき、性別によって最も多く従事する職業群20個を選び、大衆と患者に接触する可能性が高く▽密集した勤務環境を持ち▽病気休暇・有給休暇・介護休暇の取りづらい職業群を分類した。その結果、女性が多く従事する職業群20個のうち、売場販売従事者、料理長及び調理師、芸能講師、社会福祉関連従事者、看護師、学校教師など14個が該当することが分かった。男性が従事する職業上位20個のうち、8個がこのような分類に含まれた。
保健・介護分野で女性の人材の比重が圧倒的に高い点も、女性の感染リスクを高める要因だ。梨花女子大学のチャ・ジヨン教授(看護学)は「疑いのある患者が入院すれば、患者と病院スタッフとの接触を最小化するため、看護師が検体物採取から病室の清掃まで防疫業務を行う状況」と指摘した。大韓看護協会が最近発表したアンケート調査の結果によると、回答者の55.7%が「健康状態が良くなくても2日以上出勤している」と回答した。
キム・センター長は「介護労働者の場合、介護対象が変わるたびに検査費をいちいち負担して陰性判定が出たという結果用紙を提出しなければならない場合もある」とし「防疫当局が性別・職業別に分離した情報を蓄積した後、これを土台に業種別・事業場別にモニタリングして対策を講じなければならない」と提案した。世界保健機関(WHO)も先月14日、疫学資料を性別によって分離・収集し、COVID-19の流行が女性に及ぼす影響を把握し、関連対策を講じるよう勧告した。