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4大河川事業後に減った錦江のオオハクチョウ、世宗堰の開放で帰ってきた

登録:2020-02-17 21:13 修正:2020-02-18 08:09
昨年9羽から今年は20羽に 
錦江の渡り鳥は昨年より1.5倍に 
「堰の開放後、棲息環境回復のおかげ」
錦江を訪れたオオハクチョウ=大田環境運動連合提供//ハンギョレ新聞社

 今冬、錦江(クムガン)を訪れた“オオハクチョウ”の個体数が、昨年の2倍以上に増えたことが調査された。絶滅危惧種の渡り鳥であるオオハクチョウは、4大河川事業以後に錦江からまったく姿を消したが、2017年の堰開放後に再び錦江を訪れるようになった。

 大田環境運動連合は6日、一日かけて世宗市(セジョンシ)近隣の錦江で鳥類調査をした結果、絶滅危惧種で天然記念物(201号)のオオハクチョウを20羽確認したと17日明らかにした。この団体は、2016年から毎年ほぼ同じ時期に錦江の同じ地点で鳥類調査を行っている。調査地点は、世宗堰の上流(合江)12キロメートル区間で川の片側の堤防を縦走して個体数を集計する「単岸全数調査」方式で調査した。2016年と2017年の調査では、オオハクチョウを一羽も観察できなかったが、昨年初めて9羽を確認した。

 4大河川事業後に姿を消したヒシクイとマガンも、今年はそれぞれ488羽と243羽が観察された。この2つの鳥類は絶滅危惧種で、4大河川事業以前は錦江で一年に2千~5千羽が確認されていたが、事業後にいなくなり、昨年は17羽(ヒシクイ11羽、マガン6羽)観測された。昨年は7羽に過ぎなかったアカツクシガモも今年は200羽が観察された。アカツクシガモ、ヒシクイ、マガン、オオハクチョウなどは、すべて砂浜のある水深の浅い河川で暮らす鳥だ。

2月、錦江の上を飛んでいるアカツクシガモの群れ=大田忠南緑色連合提供//ハンギョレ新聞社

 環境運動連合による今回の調査で確認された法定保護種は、オオハクチョウ、ヒシクイ、ハヤブサ、オオタカ、ハイタカ、オジロワシ、ワシ、オオノスリ、ナベヅル、イカルチドリ、オシドリの11種だ。昨年観察されたナベヅルは今年は確認できなかった。代わりに、普段は韓国では見られない希少鳥類のカタグロトビ1羽が今回確認された。

 全体では、今年は合計70種4238羽の鳥を確認したが、2018年(55種2404羽)と昨年(63種2717羽)より1.5倍以上多い水準だ。実際、国立生物資源館による今年の「鳥類同時総調査」の結果によれば、昨年12月から先月までに錦江上流で昨年同期より4693羽多い4万7201羽の渡り鳥が観察された。

 大田環境運動連合のイ・ギョンホ事務局長は「4大河川事業以前には毎年6~15羽のオオハクチョウが観察されていたが、2012年以後は錦江では観測されなかった」として「オオハクチョウは水深1メートル前後の水域で暮らすが、2017年の世宗堰開放以後に錦江の水位が下がり、この鳥が暮らしやすい環境が再び作られていると見られる」と話した。

チェ・イェリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/928514.html韓国語原文入力:2020-02-17 18:17
訳J.S