本文に移動

韓米防衛費分担交渉大使「海外米軍経費は分担できない」…米国の要求に正面反論

登録:2019-12-19 21:11 修正:2019-12-20 12:12
ディハート米交渉代表会見の翌日、「反論」記者会見 
「SOFAに基づく防衛費協定の枠組みを維持する立場を堅持」 
米国が要求する循環配置費用などに「意見を異にする」
チョン・ウンボ韓米防衛費分担交渉大使が19日午後、ソウル市鍾路区の外交部ブリーフィングルームで、韓米防衛費分担金交渉に関する取材陣の質問を受けている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 チョン・ウンボ韓米防衛費分担交渉大使は19日、「海外に駐留している米軍に対する防衛経費の分担は受け入れられない」と明らかにした。在韓米軍の駐留経費を分担することに限定した既存の防衛費分担特別協定(SMA・防衛費協定)の枠組は維持されなければならないという原則も繰り返し強調した。

 チョン大使はこの日、ソウルの外交部庁舎で記者会見を行い、「28年間維持されてきた防衛費協定の枠組は維持されなければならないという立場を強く堅持している」としてこのように述べた。

 前日、ソウルで第5回会議が終わった後、ジェームズ・ディハート米国務省防衛費分担交渉代表が記者会見を行い、「韓国を防衛するための米国の全費用を包括できるよう、協定の枠組みを変えなければならない」として、国外駐留米軍の朝鮮半島循環配置、域外訓練費用、装備、移動費用などを韓国が分担すべきだと要求したことに対して、「不可」という原則を明確にした。

 米国の交渉代表の会見の翌日、韓国の交渉代表が「正面反論」に出て、きっ抗した「場外世論戦」を行ったのは異例のことだ。“枠組を変えようとする”米国と、“枠組を守ろうとする”韓国の基本原則が平行線をたどり、交渉がそれだけ複雑に展開していることを示している。韓国は在韓米軍の駐留費用分担という協定原則を強調し、米国は「同盟寄与」という新たな枠組を持ち出して、無理な増額要求をしている。

 在韓米軍地位協定(SOFA)は、韓国が米国に施設と敷地を提供するものの、在韓米軍のすべての経費は米国が負担するよう規定している。ここに例外を設け、1991年から韓国が在韓米軍の韓国人労働者の人件費、建設費、軍需支援費を分担することにしたのが防衛費分担特別協定だ。

 米国は、トランプ行政府になって「同盟無賃乗車論」を提起し、全世界の同盟国に寄与を大幅に増やすよう圧迫している。ディハート代表は「(循環配置など)すべての費用は韓国の防衛と直接関連したもの」とし「一部の費用が朝鮮半島の外で発生しても、分担するのが合理的」という論理を展開した。

 これに対してチョン大使は「在韓米軍地位協定に基づき現在の防衛費協定の枠組が作られ、28年間この基準に則り運営されてきた」として「(米国の)そのような主張に対しては意見を異にしている」と反論した。チョン大使は「項目一つ一つの妥当性、適格性に対して問い詰めている」と付け加えた。

 チョン大使は続けて「私たちも現行韓国が行なっている同盟寄与に対する説明と、これに対する正当で客観的な評価を要求している状況」と強調した。韓国は、米国製兵器の購入などを同盟寄与の事例として言及しているという。

 米国が循環配置や域外訓練費用等まで韓国が負担することを公開的に要求してきたことは、協定の枠組を外れたものであるだけでなく、実際の状況に照らしても無理な要求という指摘が多い。国家安保戦略研究院のイ・スヒョン学術協力室長は「米軍の循環配置、域外訓練、戦略兵器の展開などは、米国の安保利益に関連した部分が大きい」として「そうした費用を韓国に負担しろと言うのは包括的でも合理的でもない」と指摘した。北朝鮮を名分としているが、中国牽制のための米国のインド太平洋戦略の次元や米日同盟の次元で米国が朝鮮半島周辺に兵力や航空母艦、戦闘機などを移動させる事例が多いということだ。

 前日、ディハート大使が現在米国の要求金額が当初の50億ドルよりは低くなったというような発言をしたことに対して、チョン大使はこの日「金額に対して現段階で対外的に申し上げることはできない」と話した。交渉状況に精通したある消息筋は、「現時点では大きな枠組で立場の変化がないと見るのが正確だ」と話し、米国の要求額の変化は大きくないことを示唆した。

パク・ミンヒ、キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/921508.html韓国語原文入力:2019-12-19 19:58
訳J.S