ドナルド・トランプ米大統領が同盟国の防衛費分担金の引き上げを求める中、来年以降韓国が負担する在韓米軍の分担金を決める韓米防衛費分担金特別協定(SMA)交渉が今月中に始まる見通しだ。
韓米は第11次防衛費分担金特別協定に向けた交渉を今月末に始めることにし、具体的な日程を最終的に調整しているという。外交部当局者は「今月中に交渉を開始するための準備をしている」とし、「近いうちに交渉代表の人選と日付などを発表する」と述べた。韓国政府は、交渉首席代表として企画財政部の幹部出身など外交部出身でない人物を有力に検討しているという。
大統領選挙の選挙運動で同盟国の防衛費引き上げを主要な外交業績に掲げようとするトランプ大統領の圧力もさらに強まっている。トランプ大統領は12日(現地時間)、演説で「我々は非常に裕福な国を守っている。彼らは我々にはほとんど何も出さない」とし、「同盟国の方が他の諸国より(米国を)冷遇する時もある」と主張した。彼は9日の選挙遊説でも「米国を最も利用するのが同盟」だと述べた。国連総会への出席を機に、22~26日に米国を訪問する文在寅(ムン・ジェイン)大統領との韓米首脳会談で、トランプ大統領が直接、韓国の防衛費分担金の引き上げを強調する可能性もある。
米国は在韓米軍を運用する直接・間接費用として年間50億ドル前後がかかるとし、今年1兆389億ウォン(約940億円)だった韓国の分担金を大幅に引き上げなければならないという趣旨のメッセージを続けて伝えてきたという。韓国は「合理的で公正な」水準の負担を強調しているが、トランプ大統領の引き上げ圧力があまりにも強く、前途多難な交渉になるものとみられる。政府の一部では、韓国の米国産先端兵器の購買内訳などを交渉に反映すべきだという声もあがっている。米国の要求には分担金の引き上げとともに、韓国がインド太平洋戦略に積極的に参加し、兵力などで貢献する案などが含まれているという分析もある。