本文に移動

町の病院では“拠点病院に行け”→拠点病院では3~4時間待ち

原文入力:2009-10-28午前07:28:51
感染疑心者なども町の病院 不信 拠点病院に押し寄せる
周辺伝播拡散憂慮…“初めからすべての病院で診療していれば…”

キム・ヤンジュン記者,キム・ミンギョン記者

←京畿高陽市のある小学校児童たちが27日午前、通学路で発熱検査を受けるために長い列を作っている。 高陽/連合ニュース

新型インフル診療混乱
“去る26日から風邪の症状があり町の耳鼻咽喉科医院に行ったところ、治療拠点病院に行って検査を受けろと薦められこちらにくることになりました。昨日他の病院に行ったところ人がとても多く診療も受けられず今日この病院に来ることになりました。”

27日‘新型インフルエンザA’治療拠点病院であるソウル順天郷大病院の‘新型インフル専門診療所’を訪ねた会社員パク・某(34)氏は近くの医院や病院は信じられずに大学病院の診療所までくることになったと話した。彼は「近くの病院ではただ拠点病院に行けと言うだけで面倒がるようだという印象も受けた」として「はっきりした診断と治療を受けようと考えでこちらまでくることになった」と話した。中学生の孫娘と高校生の孫を連れてこの診療所を訪ねたチェ・某(75)氏は「去る24日にこの診療所で孫娘と孫が新型インフル検査を受け今日結果が出ると言うので来たが、結果が遅れて徒労になってしまった」として「検査を受けた日から薬を処方されて飲んでいるが、今更結果が出れば何をするのか」と悔しさを滲ませた。順天郷大病院関係者は「先週までは一日10~20人程度だったが、昨日は60人を超えたし今日も午前だけで40人近くきて待機時間が長くなりそうだ」と話した。

←対象者別新型インフル予防接種時期

他の治療拠点病院の状況は更に深刻だった。漢陽大病院,中央大病院,高麗大九老病院,梨花大木洞病院などには一日に感染疑心者たちが600~1000人ほど押し寄せて患者が三,四時間も待っていた。

保健福祉家族部中央インフルエンザ対策本部が去る26日、新型インフルが疑われれば近くの病院でもタミフルなど抗ウイルス剤を投与するなど積極的な治療を注文したが、感染が疑われる人々が依然として治療拠点病院を訪れ医療スタッフと患者双方がこのような困難に見舞われている。

対策本部のある関係者は「感染が疑われる人々が拠点病院診療所で長時間待機すれば、周辺の人々に新型インフルを伝染させる憂慮もある」として「近くの病院は治療に積極的でなく、感染疑心者たちも近くの病院を信頼しておらず大きな問題」と話した。また別の関係者は「新型インフルが重い病気という認識が広まっていて、治療拠点病院に行ってこそタミフルなどの抗ウイルス剤を簡単に求められると考える人々も多いためにこういう現象が起きるようだ」と話した。

だが近くの病院の医者たちも政府対策に対する不満を吐露している。ソウル,道峰区で医院を運営するO院長は「政府と言論が度々不安感ばかりを煽り、治療拠点病院に行けと言うのに患者が近くの病院に来るわけがない」として「患者たちが‘学校に出さなければならない’として新型インフル検査結果書を要求するので治療拠点病院に送るしかない」と話した。ソウル,江西区S医院の院長は「近くの病院が新型インフル関連診療を行い処方箋を出すと健康保険審査で削られるといううわさがある」として「当初から季節インフルエンザのようにすべての医療機関で治療を受けろと言っていればこんな事は無かった」と不満を表わした。

結局政府と医療現場間の乖離と不信、新型インフルに対する国民の過度な不安感などが相まって、政府対策が空回りし国民の不便が加重されているという指摘だ。

キム・ヤンジュン医療専門記者,キム・ミンギョン記者himtrain@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/health/384385.html 訳J.S