8軍団長を補職解任し、合同参謀議長など厳重警告
「三陟港近く」ブリーフィングでは不適切な用語を使用
大統領府安保室の介入疑惑については「事実ではない」
政府は3日、先月15日に北朝鮮の小型漁船(木造船)が韓国軍・警察の制止を受けず三陟(サムチョク)港に進入した事件と関連し、「北朝鮮の小型木造船が北方限界線(NLL)を通過し、三陟港に到達するまでの57時間のあいだこれを識別できなかったのは、海上警戒作戦と使用可能な戦力の運用に問題があったことが確認された」と明らかにした。国防部はこれによって、陸軍8軍団長を補職解任し、陸軍23師団長と海軍1艦隊司令官を懲戒委員会に付すことにした。
■海岸監視の空白が明らかに
国務調整室は同日午後1時、政府ソウル庁舎の合同ブリーフィング室で、このような内容の合同調査の結果を発表し、当時、海岸監視レーダーと三陟港付近の知能型映像監視システム(IVS)に北朝鮮の木造船が捉えられたがこれを識別することができないなど、海岸監視に空白が生じた事実を確認したと明らかにした。また、対北朝鮮状況が発生した時に統合防衛作戦の責任を担う陸軍23師団が、海警からの最初の状況や木造船のえい航状況を通報されないなど、状況の共有および協力も不十分だったことが確認されたと明らかにした。
調査の結果、先月14日午後7時18分から8時15分まで、北朝鮮の木造船と疑われる標的が海岸監視レーダーに捉えられたが、当時運用要員は責任区域に集中しており、認識できなかった。その後、責任区域で疑惑の標的を捉えた運用要員は、これを海面反射波と誤認した。15日午前6時15分、北朝鮮の木造船が三陟港へ進入する場面が1～2秒ずつ2回、知能型映像監視システムに撮影されたが、運用要員はこれを釣り舟と判断した。
■軍の状況報告体系にも乱れ
パク・ハンギ合同参謀議長は、海洋警察の最初の状況報告が伝播されてから21分後になって報告を受けた。北朝鮮の木造船が軍・警の監視網を突破して港に進入し、民間人の通報で発見された後も、合同参謀議長はしばらく知らなかったということだ。海洋警察の状況報告書をファクスで受け取った合同参謀受信室は、第1報は23分、第2報は2時間27分、第3報は18分が経過して指揮統制室に伝えたことが分かった。
地域の統合防衛作戦に責任がある陸軍23師団の報告体系もまともに作動しなかった。23師団の当直者は、午前7時15分に最初の状況を海軍第1艦隊から受けても、休暇中の師団長の職務代理に報告しなかった。特に大量ショートメッセージ送信サービスおよび高速状況伝播システムを利用せず、7時22分に海岸大隊に関連状況を電話で伝えた。海岸大隊は7時25分に画像会議システムでこれをすべての監視所に伝播した。結局、23師団の初動措置部隊が現場に到着するまで、監視所が状況を受け付けた時点を基準に20分、師団に伝播された時点を基準に30分かかった。
■隠蔽・縮小の意図は
軍当局が北朝鮮の木造船の三陟港進入2日後のブリーフィングで、発見場所を「三陟港近く」と表現し、当時警戒作戦は正常に施行されていたと説明したことについては、用語の使用が不適切だったと認めた。政府は「軍が軍事保安的側面だけを見て国民の目線を考慮せず、深く考えられなかった点がある」とし、「警戒に問題がなかったといった表現も非常に不適切で安易であったことを、国防部と合同参謀関係官が調査過程で認めた」と説明した。
政府は「海洋警察は15日午後2時10分に『三陟港に来たことで』という表現で発見場所を明示し、メディアに知らせたが、合同参謀本部広報室はこれを確認できなかった」とし、「国防部が16日に作成し17日の国会で報告した資料を確認した結果、報告書の状況概要には『三陟港近く』と表現されていたが、報告書の1ページの要図では発見地点を『三陟港防波堤』と明確に報告していたことを確認した」と説明した。
大統領府行政官の国防部ブリーフィング出席については「当該行政官が発表内容について国防部関係官たちと何らかの協議や調整をした事項は一切なかった」と強調した。大統領府安保室が軍の初期状況の公開を防いだという疑惑については「対北朝鮮軍事セキュリティと連携した事案であり、安保室と国家情報院、統一部などと協議し、海洋警察が事実を中心とした第1報を出すことでまとめた」と説明した。
訳M.C
