原文入力:2009-10-23午後08:03:49
被疑者が立ち寄ったと明け方3時 突然に押収捜索
人権委 注意措置勧告に“適法な職務遂行”対抗
パク・スジン記者
皆が寝ついた明け方、玄関のチャイムの音が恐ろしげに鳴った。一人で家を守っていた妻は用心深くドアをあけた。7~8人のがっしりした男たちが手錠をかけられた夫の年下のいとこと共に立っていた。
“警察です。この人が年下のいとこに間違いないでしょう? この人が着ていた血の付いたズボンを持ってきて下さい。”
ナム・某(37・京畿始興市),正往洞)氏は昨年7月のある日の明け方3時30分頃、このようにして‘見慣れぬお客’を迎えなければならなかった。
明け方のお客はそれより2時間前に先にあった。突然、夫の年下のいとこが訪ねてきたのだ。夫はしばらく話を交わすと深刻な顔で彼を連れて出て行った。夫は“心配するな”とだけ言った。ところが夫からは何の連絡もなく、警察が突然押しかけてきた。
夫はどこへ行ったのか。不安と恐れに気をもんだナム氏は翌日下血をした。そして30を越して得た初めての子を流産した。当時ナム氏は妊娠7週目だった。
警察が家に押しかけた時刻、夫のハン・某(40)氏は警察で参考人調査を受けていた。年下のいとこが“酒飲んで喧嘩になり人を殺した”と言って家に訪ねてき、ハン氏は年下のいとこを説得し警察署に連れて行き自首させた。警察はハン氏を調査する渦中でハン氏に知らせることもせずハン氏の家に訪ねて行ったのだ。
ハン氏は事件直後、国家人権委員会に「警察官が同意もなく妻が一人でいる家に突然訪ねて行き、その過程で驚いた妻が流産した」として該当警察官を懲戒してくれという趣旨の陳情書を出した。
この事件を調査した人権委は去る7月「深夜に警察官7~8人が動員され威圧的な状況で押収捜索がなされた。警察が任意捜査過程でハン氏夫妻の同意と協力を得ることを粗雑にした」とし、チョ・ヒョノ京畿地方警察庁長官に該当警察官に対する注意措置をすることを勧告した。
しかし警察は先月17日、「刑事訴訟法上、欠点のない職務遂行だった」とし人権委の勧告を受け入れないと人権委に知らせてきた。人権委は勧告履行を強制できず、このように勧告を受けた機関が不受容方針を明らかにすれば何の対抗策もない。この事件を担当したチョン・サンヨン人権委調査官は「現行刑事訴訟法には任意捜査と関連して同意手続きを明確に規定してはいないが、捜査機関が捜査便宜より国民の基本権を優先しなければならないので勧告を下した」とし「警察が不受容した以上、今後も同様な事例が繰り返されるのではと思われ恐ろしい」と話した。
人権委は23日、警察が今回の件に対し不受容した事実を公表した。人権委関係者は「国民がこの事実に対して警察が本当に適法であるかを判断することを願う」と話した。警察は人権委が昨年1年間に勧告した79件の内、35件に対して答えず2件を受け入れなかった。 パク・スジン記者jin21@hani.co.kr
原文: 訳J.S