ハリー・ハリス駐韓米国大使が22日、「韓国と日本が意見を一致させることができれば、3カ国関係は強化されるだろう」として、遠回しに韓国と日本に関係改善を促した。
同日午後、ソウル貞洞(チョンドン)のハビブハウス(大使官邸)で開かれた外交部記者懇談会で、ハリス大使は「朝中ロ(関係)が強化され、米日同盟が強化される一方、韓国だけが孤立するのではないかという懸念がある」との記者団の発言に対し、「同意できない」としたうえで、「韓国は孤立していないと思う」と述べた。彼は、米国は韓日とそれぞれ同盟を結んでいるとし、「日本と韓国が意見を一致させることができれば(see eye to eye)、3カ国の関係が強化されると思う」と付け加えた。昨年の強制徴用被害に対する最高裁の賠償判決や日本の哨戒機の低空飛行およびレーダー照射をめぐる論議など、韓日関係が悪化している点を警戒する米国側のメッセージと言える。ハリス大使はまた「ロシアと中国は我々とともに制裁体制に参加している」とし、「中国とロシアが(北朝鮮の核)問題の一部ではなく、解決策の一部だと信じるのもそのためだ」と述べた。
ハリス大使は「3回目の朝米首脳会談の見通し」に関する質問には、「3回目の首脳会談が開かれると信じていること以外には、他の見通しは持っていない」とし、「トランプ大統領が(3回目の会談の開催を)望んでいることは知っているが、金委員長もそうなのかは分からない。ボールは北朝鮮に渡った」と答えた。
非核化を促す過程で、一定の制裁緩和が必要だという文在寅(ムン・ジェイン)政府の立場と南北経済協力などに関する質問に、ハリス大使は「韓国から部分的な制裁緩和に対する公式的な提案を受けたことがない」と答えた。さらに「もちろん韓国政府とたくさん話し合ってきたが、結局、トランプ大統領と文大統領はワシントン首脳会談で、共同目標の北朝鮮の最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)について改めて強調した」と述べた。また、“ビッグ・ディール”と“スモール・ディール”の中間段階に対する考慮はないかという質問に対しては、「中間段階とは何かよく分からない」としたうえで、「もしそれが制裁の解除を意味するなら、(中間段階は)あってはならない」と一線を引いた。「非核化の前に制裁を解除することはできない」という従来の立場を再確認したのだ。
ハリス大使は最近、北朝鮮のチェ・ソンヒ外務省第1次官など北朝鮮側がジョン・ボルトン米ホワイトハウス国家安保補佐官やマイク・ポンペオ米国務長官を公開的に批判したことについて、「主に北朝鮮内部向け(のメッセージ)だったと思う」とし、解釈の余地を残した。