北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が13日の「施政方針演説」(最高人民会議14期1次会議)で、朝米交渉と関連し、「制裁解除中心の相応措置の要求から脱皮する可能性を示した」という国家安保戦略研究院の分析が出た。
国策研究機関の国家安保戦略研究院は15日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の世宗文化会館で、「最近の北朝鮮情勢及び韓米首脳会談の評価」をテーマにした記者懇談会を開いた。同日の懇談会で、国家安保戦略研究院のキム・イルギ北朝鮮研究室長は「(金正恩委員長が施政方針演説で)『双方が互いの一方的な要求条件を見直し、それぞれの利害関係に合致する建設的な解決策』を講じる必要性について言及した」とし、「制裁解除中心の相応措置の要求から脱皮する可能性がうかがえる」と指摘した。
金委員長が施政方針演説で、南側政府に「お節介な『仲裁者』、『促進者』のふり」をするのではなく、「民族の利益を擁護する当事者にならなければならない」と指摘した部分に対する説明もあった。国家安保戦略研究院のイ・ギドン副院長は「(この表現をめぐり)文大統領を非難するもので、(南北)首脳会談は難しいのではないかと言う人もいるが、過度な解釈だ」としたうえで、「(南側政府に対し)積極的な仲裁者、促進者の役割を果たしながらも、当事者の観点をもって臨むように求めたものと見られる」と述べた。
この日の懇談会では、今回の14期1次最高人民会議で、対南機構の祖国平和統一委員会が国務委員会の所属になったかどうかに対する質問も出た。これに対し、国家安保戦略研究院のキム・インテ責任研究委員は「まだ公式発表が行われておらず、推定するだけだ」とし、「今回の最高人民会議で、国務委員会が強化されたのは間違いない。祖国平和統一委員会を含む重要な部署が、国務委員会所属になったものと見られる」と答えた。
一方、朝ロ首脳会談が4月末か5月初めに開かれる可能性に関する分析もあった。チャン・セホ国家安保戦略研究院対外戦略研究室副研究委員は、早ければ「今月末~5月初めに朝ロ首脳会談が開かれる可能性が高い」と見通した。彼は「昨年、ロシアが朝ロ国交樹立70周年を迎え、積極的に首脳会談を提案したと聞いている。(ロシアが)4~5月や9月、11月に首脳会談を開催することを打診しており、実際、両国高官級も行き来した」とし、「ただし、昨年は朝米交渉や中国との接触など、緊迫した日程があったため、先送りとなった。(もうこれから)先送りした朝ロ首脳会談を開催する時期だ」と説明した。