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釜山市、労働者像を強制撤去…市民団体が強く反発

登録:2019-04-13 08:34 修正:2019-04-13 12:16
市民団体と釜山東区役所が建設に合意した翌日に 
釜山市「不法造形物で行政代執行避けられず…再公論化を提案」 
市民団体「釜山市に必ず責任を問う」
今月12日、釜山東区草梁洞の鄭撥将軍銅像の近くにあった「強制徴用労働者像」を釜山市が違法積置物だとし、強制撤去した=キム・ヨンドン記者//ハンギョレ新聞社

 釜山市(プサンシ)が、東区草梁洞(チョリャンドン)の日本総領事館近くの鄭撥(チョン・バル)将軍の銅像前の歩道にあった強制徴用労働者像を強制撤去した。市民団体と東区役所がここに労働者像を建てることで合意した翌日のことだ。

 釜山市は12日午後6時15分に労働者像について行政代執行(強制撤去)を行ったと発表した。撤去当時、労働者像を守っていた市民Kさんは「急に100人以上の人が押し寄せて、労働者像をトラックに乗せて行ってしまった。誰なのか聞いてみたが、答えなかった。数人が労働者像を抱いて踏ん張ったが、すぐに引き離された」と、当時の状況を伝えた。強制撤去された労働者像は、南区(ナムグ)にある国立日帝強制動員歴史館にある。

 釜山市は「違法造形物である労働者像の建設については、行政措置を避けられない状況だった。市民の安全を図り、物理的被害を最小化するため、急遽行政代執行を行うほかなかった」と説明した。さらに「建設特委で提案する空間と市が提案する空間のうち、どこに設置した方がいいかを、市民に問う公論化過程を再び提案する」と付け加えた。関連法によって労働者像のある道路の点用許可や道路管理は区役所に委任されているが、市が直接行政代執行に乗り出したことについては「法律解釈によって、市が直接行政代執行に乗り出せると判断した。繰り返し、常習的に許可を受けずに道路を占用した場合、関連法によって行政代執行の手続きを踏まなくても良い」と述べた。

 労働者像の設置を推進してきた「積弊清算・社会大改革釜山運動本部の強制徴用労働者像建設特別委員会」(建設特委)は強く反発している。キム・ビョンジュン建設特委委員長は「市は午後3時、公論化の過程を経て対話を要請した。表では対話しようと言いながら、裏では労働者像を強制撤去した。日本総領事館前の少女像を建てた当時、ソ・ビョンス元釜山市長もこのような対応はしていない」と非難した。さらに「必ず市に応分の責任を問う。これで終わったわけではない。労働者像を取り戻し、再びその場に建てる」と述べた。

 これに先立ち、建設特委は昨年5月1日、日本総領事館の前に労働者像を建てようとしたが、警察に阻止され建てることができなかった。東区役所は昨年5月31日、労働者像を強制撤去しており、建設特委は同年7月、労働者像を返してもらった。建設特委は先月1日、鄭撥将軍銅像の近くに労働者像を置いて、臨時設置を宣言した後、市と東区役所に労働者像の設置問題をめぐる交渉を要請した。第1回交渉は物別れに終わったが、今月11日に開かれた第2回交渉で、建設特委と東区役所は鄭撥将軍銅像の近くのサムジ公園に労働者像を建てることで合意した。これに対し、釜山市は「労働者像を建てれば、強制撤去する」と予告した。

キム・ヨンドン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/889863.html韓国語原文入力:2019-04-12 20:49
訳H.J

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