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「役員入れ替え疑惑」前環境部長官に対する拘束令状が棄却

登録:2019-03-26 09:54 修正:2019-03-26 16:29
大統領府に向かう検察捜査にブレーキ
「環境部標的入れ替え疑惑」で検察の捜査を受けているキム・ウンギョン前環境部長官が25日午前、拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を受けるため、ソウル松坡区のソウル東部地裁の法廷に向かっている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 環境部傘下団体の役員入れ替えに介入した疑いで検察の捜査を受けてきたキム・ウンギョン前環境部長官の拘束令状が棄却された。捜査の刃先を環境部を越えて大統領府に向けていた検察の捜査にブレーキがかかった。

 ソウル東部地裁のパク・チョンギル令状専担部長判事は26日午前2時頃、キム前長官の拘束令状を棄却した。パク判事は「客観的な物証が多数確保されており、キム前長官がすでに退職していることから関係者とは接触が容易でなくなった点に照らしあわせ、証拠隠滅や逃走の危険が少ない」とし、令状棄却の理由を明らかにした。

 パク判事は一括辞職届請求および標的監査に関する容疑について、「新たに組織された政府が、当該公共機関の運営を正常化するために人事需要の把握などを目的に辞職の意思を確認したと見られる事情などを考慮すると、争いの余地がある」と明らかにした。役員推薦委員会に関する容疑については、「公共機関の長や役員の任命に関する関連法令の当該規定とは異なり、彼らに関する最終任命権、提案権を持つ大統領または関連省庁の長を補佐するために、大統領府と関連省庁の公務員が役員推薦委員会の段階で候補者を協議したり内定した慣行が、法令制定時から現在に至るまで長期にわたってあったものとみられ、職権乱用による故意や違法性の認識が多少希薄に見える事情がある」と付け加えた。

 これに先立つ22日、ソウル東部地検刑事6部(部長チュ・ジヌ)は、職権乱用権利行使妨害と業務妨害の疑いを適用し、キム前長官の拘束令状を請求した。検察は、キム前長官が前政府で任命された環境部傘下団体の役員の辞任を主導し、一部の役員候補者にあらかじめ面接資料を提供するなど特別待遇をした情況を確認した。しかし、キム前長官は「傘下団体の役員の動向把握はしたが、彼らの辞任と任命に不当な影響力を行使していない」という趣旨で容疑を否定したという。キム前長官はこの日、拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を受けるため、ソウル松坡区(ソンパグ)のソウル東部地裁に出頭し、取材陣に対し「最善を尽くして説明し、裁判所の判断を求める」と述べた。

 この日の令状棄却で捜査にブレーキがかかった検察は、しばらくキム前長官の容疑立証のための補強捜査に集中するものとみられる。各種の傘下団体の役員人事で環境部と大統領府のつなぎの役割をしたと疑われるキム前長官の容疑立証なしには、大統領府を相手にした捜査に本格的に乗り出すことが難しいためだ。これまで検察は、キム前長官が大統領府の人事首席室関係者とともに傘下団体の役員追い出しなどを主導した張本人と見て、捜査を進めてきた。また、今月中旬に大統領府人事首席室傘下の均衡人事秘書官室行政官2人を召喚して調査するなど、環境部傘下団体の役員入れ替えの過程に大統領府がどのような役割をしたのかを糾明することに捜査の焦点を合わせてきた。

 裁判所がキム前長官の拘束令状を棄却したことで、大統領府は文在寅(ムン・ジェイン)政府出身の長官の初の拘束捜査という汚名を避けられることになった。これまで大統領府は「キム前長官が一部傘下機関への監査を行わせたのは適法な監督権の行使」とし、過去の政権のブラックリスト事件とは本質的に違うと主張してきた。

イ・ジュンヒ、オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/887372.html韓国語原文入力:2019-03-26 07:23
訳M.C

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