グーグルでは男性たちも少なからず賃金差別を受けている?
ニューヨークタイムズは4日、グーグルが給与差別を補償するための独自調査を行った結果、多くの男性も「差別補償額」を受けたと報道した。男女の差別も存在したが、男性も同じ仕事をする同僚より不当に少ない賃金を受け取るケースが数多く発見されたのだ。
グーグルは当初、女性と社会的マイノリティに対する給与差別を是正するために調査を実施した。職員の91%の職務類型、職務水準、成果などを考慮し、給与とボーナスを比較分析した結果をもとに補償額を支給することにした。
これによって、今年に入って差別的な賃金を受け取ったと評価された1万677人に合計970万ドル(約10億円)が支給された。グーグルは性別分布と補償規模は公開しなかった。しかし、補償を受けた男性の方が女性より多く、支給額も男性が多いと明らかにした。男性で構成されたソフトウェアエンジニア集団の場合、同職職の女性より低い賃金を受け取っていた事例も見つかった。
性平等は最近、グーグルで最も重要な問題だった。2017年9月、グーグルで働いていた女性3人が、同じ仕事をした男性より低い賃金を受け取ったとして訴訟を起こし、性差別を巡る議論が起きた。ある女性は4年間のキャリアを認められず、2010年に「レベル3」の職級で入社したが、同じような経歴の男性の方がより高い「レベル4」の職級になったと主張した。米国の労働省はグーグルが組織的に女性を差別したかについての調査に着手した。
補償を受けた男性が女性より多いからといって、グーグルで全体的に男性が逆差別を受けたという話ではない。昨年末基準で、グーグルの社員約9万8000人のうち約6万7000人が男性であるため、男性が差別調査の結果、より多くの補償額を受け取らざるを得ない構造だ。ある調査担当者は「賃金差別を減らすための意味ある試みだが、女性たちが直面した職場内の構造的不平等がすべて解消されたというわけではない」と説明した。