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警察 ますます‘ビッグブラザー’に駆け上がる

原文入力:2009-10-12午前08:13:32
被疑者・被害者・参考人 4417万人 個人情報 無限保存
5年間 1404万件以上 照会 捜査活用…人権侵害 憂慮

イ・ジョンエ記者

警察が私たちの国民数に匹敵するほどの被疑者,被害者,参考人捜査記録など個人情報を事実上‘無制限’に保管していることが明らかになった。

キム・ユジョン民主党議員が11日警察庁から受け取った‘犯罪情報管理システム’(CIMS・シムス)運営現況資料によれば、警察が被疑者2492万人と被害者1812万人,参考人1126万人など、計4417万人の捜査記録などの個人情報をシムス内に保存していることが分かった。犯罪の被疑者や被害者あるいは参考人としてただ一度でも警察の捜査を受けた人々のすべての個人情報が皆含まれている。警察が事実上‘ビッグブラザー’になっているわけだ。また警察はシムスに保存されているこういう膨大な個人情報を2004年以後1404万件以上も問い合わせた。

シムスには警察が事件を受け付けた時点から検察に送検するまでのすべての過程が取り込まれる。被疑者調書はもちろん被害者と参考人から受けた陳述調書,捜査報告書,逮捕・拘束・押収捜索令状申請書,意見書などシムスに入れられる文書の書式だけで301種類に達する。客観的資料の他に捜査中に警察が作成した捜査報告書や各種調書など、捜査官の‘恣意的’判断が含まれた資料も入れられている。これら記録は他の捜査官に偏見を植え付けかねず流出の際には被害者の人格と人権が侵害される可能性もある。

キム議員は「膨大な個人情報を含んでいるシムスに関する正確な管理規定がない」という点も問題点として指摘する。警察は‘治安情報の収集・作成および配布’を警察の職務と規定した警察法と警察官職務執行法などをシムス運用の根拠条項としている。だがこの法はシムスに保存される具体的内容と範囲はもちろん個人情報の廃棄や削除関連規定がない。警察は内部的に‘シムス運営指針’を持っているが、この指針は「入力された資料は任意に削除できない」と規定していて、被疑者が無罪や無嫌疑を受けた場合にも関連内容が削除されない。もちろん「特別な理由が発生した場合、システム管理者がその適正性を審査しこれを削除・変更することができる」と規定しているものの、誤った部分があっても被疑者など当事者が積極的に請求権を行使しなければ事実上削除されない状況だ。これは捜査機関が被疑者の指紋を採取し被疑者の人的事項と罪名などを記載した票である‘捜査資料票’が記載する情報の内容を確定・制限して前科者の正常社会復帰のために無罪が確定したり一定期間が過ぎれば関連内容を削除するようになっていることと大きな差を見せる。

特に少年犯や良心的兵役拒否事犯,国家保安法違反事犯などに対する事件調書などの情報を持続的に保存・管理することは、さらに大きな問題を引き起こしかねない。少年犯に対する情報の場合、非行記録はもちろん非行予測性資料票など、敏感な内容まで含まれている。また現在良心的兵役拒否事犯や国家保安法事犯に対する被疑者調書までシムス内に保管されているが、これは「思想・信条など個人的人権を顕著に侵害する恐れがある個人情報を収集してはならない」と規定した現行法に反する素地があるとキム議員は指摘した。

イ・ジョンエ記者hongbyul@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/381386.html 訳J.S