「代表さん、カメラ持っている?あったら私を撮ってネットに上げて」
5日午後、外出のために車に乗ったキム・ボクトンさん(93)が、正義記憶連帯のユン・ミヒャン代表に話しかけた。日本軍「慰安婦」被害者であり女性人権運動家のキムさんは、ユン代表のカメラの前で心にしまっておいた言葉を話し始めた。「(在日朝鮮)学校が今回(の災害で)大きな被害を受けたそうだが、一日も早く復旧して生徒たちが勉強できるようにしなければならないでしょう?学校が回復して、生徒たちが学校に行けるよう皆さんが力をちょっと貸してくれればとてもありがたいと思います」
正義記憶連帯は、キムさんが最近水害・台風・地震などの自然災害で被害をこうむった在日朝鮮学校の復旧のために、1千万ウォン(約100万円)をキム・ボクトン奨学基金に寄付したと10日明らかにした。ユン・ミヒャン代表は「キム・ボクトンさんが台風チェビ(燕、21号)に続き北海道地震により日本各地の朝鮮学校が被害をこうむったとのことをニュースで見て、強く心配された」として「学校がなければ生徒たちが勉強できなくなるので、学校復旧のために努力してくれとしながら1千万ウォンをさらに寄付された」と話した。
キムさんは、2016年からキム・ボクトン奨学基金を作り、在日朝鮮学校の生徒たちを支援している。2016年には大阪朝鮮学校の生徒2人、2017年には京都朝鮮学校の生徒4人がキムさんの奨学金で学校に通っている。キムさんは、特に2014年に大阪朝鮮学校で特別講演をした後、日本社会で朝鮮学校が受けている差別を知って心を痛めたという。ユン代表は「ハルモニ(おばあさん)は慰安婦として連れて行かれた後、ちゃんと勉強できなかったので、子どもたちの教育に関心が深い」とし、「朝鮮学校での講演でも、生徒たちに向かって『いくら日本が差別しても故国があるからめげずに力強く勉強しなければならない』とおっしゃった」と伝えた。
キムさんが寄付した金銭は、在日朝鮮学校の災害復旧に使われる予定だ。ユン代表は「自然災害で被害をこうむった学校のうち、緊急な学校から復旧費用として寄付する予定」と明らかにした。