4日、3人の死傷者を出したサムスン電子器興(キフン)事業場の二酸化炭素漏出事件は、二酸化炭素保存容器133本のバルブが原因不明の理由で開放され、二酸化炭素が全量放出されて起きたことが明らかになった。
京畿道消防災害本部は6日、警察と国立科学捜査研究院、雇用労働部、ガス安全公社などと合同調査チームを設け、龍仁市(ヨンインシ)のサムスン電子器興事業場の現場点検を行った。調査チームは、事故が発生した器興事業場6-3ライン地下1階の火災鎮火設備の二酸化炭素ガス保存所内を点検し、45キロ容器133本の全量が一斉に放出され人命被害を出した事実を確認した。特に、二酸化炭素消火設備の選択バルブ2個が開いており、そのうちの1個は高圧で破損していた。さらに非常放送設備も作動していないことを確認した。調査チームは、二酸化炭素貯蔵タンクと電気室を連結する配管の一部が原因不明の理由で破損して、二酸化炭素が漏れ出たと見て調査中だ。
サムスン電子の遅すぎる申告に対する捜査要求の声も高まっている。京畿道は、事故発生から約2時間が過ぎた4日午後3時48分になって、サムスンが事故の内容を消防署に知らせたことは申告義務違反だと明らかにした。イ・ジェミョン京畿道知事も自身のフェイスブックにあげた文で、「生命を守り2次災害を防ぐためにも迅速な申告と対処が最も重要だ。ぐずついた対処は必ず根絶する」と明らかにした。
今回事故が起きたサムスン電子器興事業場では、水酸化ナトリウム、硫酸、塩酸、過酸化水素など20種余りの各種有害化学物質を年間12万トン使っている。これらの有害化学物質が流出すれば大事故になるため、事故が起きたら直ちに申告しなければならない。共に民主党のパク・ジュミン最高委員もこの日、国会で開かれた最高委員会議で「サムスン電子の遅すぎる申告は今回だけでない。今さえやりすごせば良いといった態度を容認すれば、安全事故の連鎖を断ち切ることはできない」として、徹底した捜査を要求した。
しかしサムスン電子は「救助優先行為は消防法の立法趣旨に符合する」として対抗した。
一方、サムスン電子は今回の事故でL氏(25)が亡くなり、K氏(55)、C氏(27)の2人が負傷したと明らかにしたが、最初の発見者である自主消防隊員1人も病院で入院治療を受けたことが明らかになり、事件を縮小しようとしたという批判を受けている。
これについてサムスン電子は「当該消防隊員は、最初に事故現場を発見し、初期に一人で保護服を着用した状態で負傷者を移動させて心肺蘇生術を施行する過程で疲労した。病院に入院した事実は今日未明に分かり、事件縮小の意図はなかった」と釈明した。