原文入力:2009-09-25午後07:16:29
現代車支部長 穏健派 当選
強硬派 道徳性に傷, 頻繁なストライキ疲労感が原因
非正規職 保護狙った ‘地域支部 転換’ 支障予想
キム・グァンス記者
←イ・ギョンフン(49)現代車支部長当選者
金属労組現代自動車支部長(現代車労組委員長)選挙で穏健・実利路線の執行部が誕生したことは労働界で一つの ‘事件’ として受けとめられている。14年ぶりに執行部の性格ががらっと変わったうえに、労働界の全体路線に地殻変動が起こりかねない要素であるためだ。
■なぜ穏健路線が勝利したか?
1次投票で2位で決選に上がった‘剛性’のクォン・オイル(43)候補側は1位で決選に進んだ穏健路線のイ・ギョンフン(49・写真)候補に決選で勝つことができると考えた。1995年蔚山工場労働者ヤン・ポンス氏が労使協力主義を批判し焼身自殺して以来、今まで1次投票で穏健候補に押された強盛候補は決選でいつも逆転勝ちをしてきたためだった。だがこういう‘魔法’はこれ以上は通じなかった。選挙終盤にクォン候補側がイ候補側を ‘御用’ と追い詰めたりもしたが効かなかった。
これは去る14年間の剛性執行部に対する不信があまりに大きかったためだ。何より、民主労総の資産である道徳性が崩れたのが直撃弾になった。会計透明性問題で委員長2人が現職から退き、前職委員長1人は就職不正疑惑で拘束されもした。現執行部が労組創立22年ぶりに初めて賃金・団体交渉途中に指導力不在を理由として自ら辞退し早期選挙を行うことになったことも穏健指向候補に有利な状況として作用した。
金属労組に対する組合員らの拒否感も投票者の心に大きく反映された。産業別労組の金属労組としては共同交渉と共闘が生命だが、民主労総と金属労組の先鋒隊の役割をしてきた組合員らは去る14年間の頻繁なストライキに疲労感を感じてきた。そこに現在の企業支部をなくし地域支部に再編しようとする金属労組の指針に反発する組合員らの拒否感も多かった。企業支部が消えれば全国の事業場が全国の各地域支部下に入り、現代自動車労組の独自スト権が小さくなるためだ。
■労働界,地殻変動予告?
現代自動車支部を核心事業場として持つ金属労組は今後の2年間イバラの道が予想される。15万人の金属労組組合員の内、3分の1ほどを占め、この間金属労組の機関車の役割を果たしてきた現代自動車支部の穏健・実利路線は名分と政治闘争を重要視する金属労組執行部と路線対立を起こす余地が少なくないためだ。それでも、イ候補が直ちに金属労組を脱退するなど極端な行動を取る可能性は非常に小さい。だが対政府闘争など政治性ストライキにブレーキをかけることは確実だということにはおおむね異見がない。
大企業内に正規職-非正規職労組が別々に存在する構造を変え解雇の激しい風に震えている非正規労働者らを保護し、金属労組の団結力と交渉力を強化するために年内に現代自動車労組など企業支部を地域支部に切り替えようとする金属労組の計画も事実上難しくなった。イ候補が企業支部解消に反対するという立場を明確にしたためだ。これに従わないという理由で金属労組が現代自動車労組を除名することも難しい。あれこれ金属労組と現代自動車労組執行部の間に大小の葛藤が絶えないと予想される。労働運動の闘争力低下につながるだろうという憂慮も出てくる。主力部隊である金属労組の闘争力が弱まれば民主労総も力を失うほかはないためだ。
民主労総関係者は「現代車労組執行部が変わったといって、直ちに労組が保守指向に背を向けることはないが、労働界で現代車労組が占めた地位や役割が大きく一定部分闘争路線に変化が避けられないようだ」と話した。イ・スボン民主労総スポークスマンは「単位労組の選挙結果を持って話す必要はない」として「委員長が何をするのか見守る」と話した。
蔚山/キム・グァンス記者kskim@hani.co.kr,写真ニューシス
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/378767.html 訳J.S