原文入力:2009-09-21午前06:56:50
遮水壁 未設置…堤防道路崩壊で浸出水が流入し
pH11・昨年3月からは‘白化現象’も…魚類生存不可
製鉄所側“遮水壁あるので流出するわけはない”隠蔽に汲々
チョン・デハ記者
“見て下さい。穴があけられているでしょう?”
去る15日午前11時頃、全南,光陽市,金湖洞のポスコ光陽製鉄所スラグ埋立地東側堤防道路入り口から2km程度入った地点。海水には黄金色の物質が浮いていて、周辺の岩表面は白色に覆われていた。堤防道路前の海では埋立地の浸出水が海に流入しないよう遮水工事が真っ最中だった。キム・ヨンヒョン(41)光陽漁民会長は崩壊した堤防道路下の方を示し「遮水壁がきちんと設置されておらず浸出水が流れ出た」と主張した。
草堂大チョ・ギアン(53・環境工学)教授は20日「最近現場を訪問して東側堤防道路内部に遮水壁が設置されていなかった事実を確認した」と話した。遮水壁とは、ゴミ埋立地などを施工する時に廃水が流れ出ることを防ぎ廃水をろ過するために黄土・粘土などを入れて作った施設だ。
これに先立ち去る8月23日、この付近の堤防道路200m余りは海側に崩壊した。そこは光陽製鉄所スラグ埋立地の一部に環境部が設置した廃棄物処理業者‘人善ENT’の指定廃棄物埋立地そばの道路だ。この時、埋立地側から浸出水が流れ出て事故直後に数百匹の魚が海面に浮び上がり死んだ。
漁民らは今回の事故前から有毒物質が含まれた光陽製鉄所のスラグ埋立地浸出水が海に流入したと主張していた。光陽製鉄所は1989年スラグ埋立地と堤防道路を完工し、昨年までに全体面積7618万㎡中の3495万㎡(45.9%)にスラグを埋めた。人善ENTは2002年光陽製鉄所スラグ埋立地の中で北東側25万㎡を環境部から買いとり、油まみれの手袋など指定廃棄物を埋めたてしている。
これに対し光陽製鉄所側は「スラグ埋立地を設置する時、遮水壁の代わりに堤防道路内部に廃水ろ過のための土木工事用繊維であるチオテクスタイル遮水壁を設置し、スラグ浸出水が流出することはありえない」とし「高炉に生石灰を入れ鉄鉱石を取り出した後に残ったスラグは生物に害がなく、海で魚集として活用されたりもしている」と話した。だがキム漁民会長は「チオテクスタイル工法で遮水壁が設置されたところは2007年に堤防道路を一時開けて再施工した道路150m余りに過ぎない」と反論した。
栄山江流域環境庁による調査の結果、崩壊事故がおきた後に海に流出した浸出水の水素イオン濃度(pH)は11.11で、環境法規定排出基準(5.8~8.6)を超過していたことが分かった。これは海の植物や魚類が生きられない強アルカリ化状態だ。また光陽製鉄所スラグ埋立地東側堤防道路前の海では昨年3月から岩の表面が白く変わる‘白化’現象が現れている。チョ・キアン教授は「少なくとも数年前から光陽製鉄所が埋めたスラグから浸出水が流出していたと見られる」として「白化現象は海の生態系の破壊を示すもの」と指摘した。
←光陽製鉄所東護岸前の海では昨年3月から岩の表面が白く変わる白化現象が発見され、海洋汚染の深刻性を示している。
検察と栄山江流域環境庁は現在、堤防道路崩壊事故の原因を調査中だ。光陽製鉄所は2002年頃からコークス・ニッケル工場などを作り埋めたて予定地である海の海砂約1370万立方Mを掘りおこした。キム会長は「堤防道路内側の光陽製鉄所廃棄物埋めたて予定地側の海が浚渫され水深が18~20mと深くなり、堤防道路外側海水深(4.3m)より水圧がはるかに高まった」として「このために堤防道路が押されて崩れた可能性が高い」と話した。
反面、光陽製鉄所関係者は「浚渫地点が堤防道路崩壊事故地点から70mも離れており関係がない」と反論した。
光陽/文 チョン・デハ記者daeha@hani.co.kr,写真 光陽漁民会,動画ハニTV
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/377781.html 訳J.S