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中国に‘贈り物’姿勢…米国にもメッセージ‘両手兼将’

原文入力:2009-09-19午前11:41:22
[金正日‘6者会談’復帰示唆]
わずか2ヶ月前には“6者会談永遠に終末”談話
今回は“両者と多者対話を通じ”…大きな変化
中と最大懸案 妥結…北-米 対話に弾み

ソン・ウォンジェ記者,イ・ジェフン記者

←胡錦濤中国主席の特使として北韓,平壌を訪問した戴秉国外交担当国務委員(最前列左側3番目)が18日、金正日北韓国防委員長(最前列中央)と面談した後、両国指導部とともに記念写真を撮っている。 平壌/北韓官営<中央通信>提供,ロイター連合

金正日北韓国防委員長が18日事実上北韓の6者会談復帰意志を表わしたことは中国と米国の要求をあまねく考慮した‘両手兼将’の手として解説される。6者会談議長国として北韓の復帰を一貫して要求してきた中国の立場を配慮したことに加え、北-米両者対話を控え両者対話の幅と深さを制限する核心障害物の一つに挙げられてきた北韓の6者会談復帰問題を解決して行くという意思を表わしたと見ることができるためだ。

金委員長がこの日、中国胡錦濤国家主席の特使資格で北韓を訪問した戴秉国国務委員との出会いで明らかにしたメッセージの核心は「両者と多者対話を通じ関連問題を解決することを願う」という部分だ。‘両者’は北韓が北核問題協議の枠組みで提示してきた北-米両者会談を、‘多者’は米国と中国などが強調してきた6者会談を意味するものと見られる。金委員長のこういう言及は「6者会談が永遠に終末を告げることになった」という去る7月27日の外務省スポークスマン談話の基調から大きく変わったものだ。

もちろん現在では金委員長が言及した‘多者対話’が6者会談を指してものと断定する根拠はない。論理的には3者,4者,5者,6者対話が全て‘多者対話’であるためだ。6者会談を意味するとしても、どんな‘条件’を付け加えたのか確認が必要だ。北韓が過去のような方式の6者会談は受け入れないと公言してきただけに、北-米両者会談を主とした変化した方式の多者協議体を念頭に置いたことかもしれないという指摘も出ている。

だが北側が最近になって既存の6者会談拒否姿勢を変えそうな態度を示した点には注目する必要がある。北側は去る3日、国連安全保障理事会議長宛てに送った手紙で「共和国(北)の自主権と平和的発展権を乱暴にじゅうりんすることに利用された6者会談構図に反対したのであり、朝鮮半島非核化と世界の非核化それ自体を否定したことはない」と強調した。

北側の6者会談と関連した態度変化には色々な要因が作用したと見ることができる。まず、6者会談関連国らが一致して北側の6者会談復帰を関連交渉の事実上の前提条件として掲げた点だ。二番目、オバマ,米国行政府が北側の6者会談復帰を要求しながらも、それに先立ち北韓との両者対話方針を明らかにし、これと共に‘包括的パッケージ’を検討していると強調した点だ。三番目、北側がこの間6者会談参加排除まで主張してきた日本で‘対話を通じた問題解決’を対北政策基調として掲げた民主党政府が新しくスタートした事実だ。

金委員長としてはこういう状況で北-米両者対話を通じて成果を出そうとすれば、6者会談復帰が現実的に避けられないばかりでなく、情勢の流れから見て必ずしも悪いことばかりではないとの判断をしたとも見られる。

金委員長は戴秉国国務委員に面会した席でこういう見解を明らかにすることにより、6者会談を胡主席の最も大きい外交的成果物と考えてきた中国に一種の‘贈り物’をあたえる姿勢を取った。来月4~6日と予想される温家宝総理の北韓訪問を控え中国との最も大きな国際関係懸案を妥結させたこととも見られる。

金委員長は同時に北-米両者対話を北韓の6者会談復帰を議論するための用途に限定しようという米国側にも‘6者会談場に戻るから両者対話では実質的な議論をしよう’というメッセージを伝達しようとしたという分析も出ている。‘健康不安説’の中で2012年に設定した‘強盛大国’建設期限に追われてきた金委員長としては、北-米両者対話の速度を増すためにも6者会談復帰意志を表わす必要があったということだ。 ソン・ウォンジェ,イ・ジェフン記者wonje@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/377609.html 訳J.S