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「釜馬-光州-6月抗争」明示した大統領改憲案…抵抗権の間接的な認定

登録:2018-03-21 02:03 修正:2019-02-18 14:35
憲法前文に「民主化3事件」追加した意味

韓国民主主義の道しるべ  
釜馬抗争、朴正煕政権崩壊の引き金  
光州・6・10民主化抗争、全斗換新軍部の打倒に貢献  
大統領府「ろうそく市民革命は進行形のため除外  

「憲法の基本価値として国民抵抗権を認定」  
「3・1運動」を根拠に親日財産還収したように 
不当な権力行使に関する下位法規律の効果

文在寅大統領が今月20日午前、大統領府で開かれた国務会議で、冒頭発言をしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「悠久な歴史と伝統に輝く我が大韓国民は三・一運動によって建設された大韓民国臨時政府の正統性と不義に抵抗した4・19民主理念を継承し…」

 現行憲法の前文には、このように3・1運動と4・19革命(4月革命)という二つの歴史的事件が明示されている。大統領府は20日、ここに釜馬(プマ)抗争、5・18(光州)民主化運動、6・10抗争(6月民主抗争)を追加した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の改憲案をまとめたと発表した。

 大統領府が憲法の前文に従来の3・1運動と4・19革命に続き、釜馬抗争など三つの歴史的事実を盛り込むことにしたのは、これら民主化運動が、今日の韓国を形成していく上で、架け橋の役割を果たしたという認識に基づくものだ。1979年10月、釜山(プサン)と馬山(マサン)で朴正煕(パク・チョンヒ)政権の維新独裁に立ち向かって釜馬抗争に乗り出した学生と市民らを、朴正煕政権が戒厳令と戦車で鎮圧したが、これは10・26事態(朴正煕暗殺事件)の直接的なきっかけとなった。さらに、全斗煥(チョン・ドゥファン)新軍部勢力が権力を掌握すると、学生と市民たちが決起したのが1980年の5・18光州(クァンジュ)民主化運動だ。このような独裁政権に対する抵抗の精神は1987年6・10抗争につながり、大統領直接選挙制度を主な内容とする改憲を導いた。4・19革命は李承晩(イ・スンマン)独裁政権を、釜馬抗争は朴正煕独裁政権を、5・18光州民主化運動と6・10抗争は全斗煥新軍部政権を打倒し、韓国の民主主義を実現した決定的な道しるべであるわけだ。文在寅大統領は昨年の大統領選挙の際、これら三つの事件とろうそく市民革命を新たに作る憲法前文に反映すると公約した。ただし、今回の改憲案でろうそく市民革命は除外された。チョ・グク大統領府民政首席は「ろうそく市民革命は現在進行中であるため、除外した」と説明した。

 釜馬抗争、5・18、6・10を、憲法前文に盛り込むのは、「抵抗権」を間接的に明示する効力をもつ。大統領直属政策企画委員会傘下の国民憲法諮問特別委員会のキム・ジョンチョル副委員長(延世大学教授・憲法学)は13日、記者会見で憲法学者としての意見であることを前提に「この三つの歴史的事件を列挙し、民主理念を継承して発展させることを憲法の基本的な価値として宣言すると、国民の抵抗権を間接的に認めることになる」と話した。現行憲法でも前文に「不義に抵抗した4・19民主理念を継承」するとし、抵抗権を間接的に規定しているが、1960年に起きた4・19革命以降に発生した三つの歴史的事実を追加したのは、憲法に時代の変化を反映するためと見られる。

 また、2011年、憲法裁判所は親日賦役者財産還収法(親日賦役・反民族行為者の財産の国家帰属に関する特別法)を合憲と判断する際、「3・1運動によって建立された大韓民国臨時政府の正統性の継承を規定した憲法の前文に基づき、親日賦役の歴史清算は憲法的に与えられた任務だ。親日賦役者の財産遡及剥奪という異例の措置は、憲法理念によって容認され得る」として、憲法の前文を主な根拠に挙げた。この判例でも見られるように、三つの歴史的事実が憲法前文に盛り込まれることになると、政権の不当な権力行使や民主化運動と関連した憲法の規範的効力がさらに強化される見通しだ。

キム・ギュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/836973.html韓国語原文入力:2018-03-20 20:19
訳H.J

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