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文大統領、五輪めぐる理念攻勢に「風前のともし火を守るように力を添えてほしい」

登録:2018-01-23 06:21 修正:2018-01-23 08:26
平昌五輪成功のための協力を強調 
 
保守の理念攻勢に自制を訴える  
「米朝対話に発展させてこそ  
北朝鮮核問題解決できる」  
朝鮮半島の平和構築への世論の支持を要請  
北朝鮮にも「共に努力してほしい」
文在寅大統領が今月22日午後、大統領府の与民館で開かれた首席補佐官会議で発言している。右から文大統領、イム・ジョンソク秘書室長、ジュ・ヨンフン警護処長、チョ・ヒョンオク人事首席、ハ・スンチャン社会革新首席、キム・ヒョンチョル経済補佐官/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22日「風前のともし火を守るように、対話を守って発展させていくのに、力を添えてほしい」と述べた。平昌(ピョンチャン)冬季五輪を控え、激しさを増している保守野党の理念攻勢と女子アイスホッケー単一チームの構成などをめぐる批判世論に対し、自制と協力を要請したのだ。

 文大統領は同日、大統領府で首席・補佐官会議を主宰し、「私たちは今、北朝鮮核問題の平和的解決と朝鮮半島の平和構築の道を開く大事な機会を迎えている。平昌冬季五輪とパラリンピックが南と北を向かい合うようにしてくれたおかげ」だとしたうえで、「平昌五輪のおかげで、奇跡のように作られた対話の機会を、平昌以降まで機会を活かしていく知恵と努力が必要だ」と強調した。

 文大統領は「朝鮮戦争以来、最悪に陥った南北関係の中、朝鮮半島に再び戦争の影が見え隠れする状況で、劇的に設けられた南北対話」だとしたうえで、「しかし今、対話の雰囲気がいつまで続くのかは、誰にも楽観できない状況」だと述べた。彼は「北朝鮮の平昌冬季五輪とパラリンピックへの参加と南北対話は、それ自体で非常に意味が大きく、大会の成功と韓国経済にも大きな力になるだろう」とし、「しかし、もしそれだけで終われば、その後、私たちが経験する外交安保上の困難は、想像を超えるものになり、また再び対話のきっかけを見出すのも容易ではないだろう。南北対話が米国と北朝鮮の間の対話に繋がるようにし、様々な対話に発展させていくようにしてこそ、北朝鮮の核問題を平和的に解決でき、朝鮮半島の平和と繁栄も持続できる」と強調した。文大統領はさらに、「政界とマスコミにも、少なくとも平昌五輪の成功的開催には力添えをお願いしたい」としたうえで、「北朝鮮も共に努力してほしい。せっかく用意された対話であり、様々な困難があるかもしれないが、成功に向けて南と北が互いの立場に立って考えながら、着実に克服していく努力が必要だ」と述べた。

 文大統領の発言は、平昌冬季五輪を契機にした南北対話局面でも一時的な現象であるだけに、これを機に米朝対話などさらに進展した平和の動きにつなげられるよう、力を結集してこそ、朝鮮半島情勢を安定させることができるという国民に向けた“呼びかけ”と言える。韓国の内部対立のため、平昌五輪の意味が色あせかねないという憂慮もあるものとみられる。最近、自由韓国党を中心とした保守野党は、平昌五輪を「平壌(ピョンヤン)五輪」と呼び、理念攻勢を強化しており、保守メディアも連日南北単一チームと北朝鮮文化公演団の訪韓を批判している。女子アイスホッケー単一チームの構成をめぐる世論も、必ずしも好意的ではない。大統領府関係者は「政府が慎重に対応しているにもかかわらず、保守野党とマスコミが対話局面を対決局面に追い込み、平昌五輪を揺さぶっていることに対して、大統領が懸念を示し、国民に力を結集してほしいと訴えたもの」だと話した。

 文大統領は今月5日、大韓老人会との昼食会で、「北朝鮮問題が難しいのは事実だが、もっと難しいのは内部分裂」だとしたうえで、「政府の対北朝鮮政策を信じて国論をまとめてほしい」と要請した。

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/828910.html韓国語原文入力:2018-01-22 21:56
訳H.J