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再スタートした文化放送のラジオ番組、「セウォル号」の報道統制解かれる

登録:2017-11-21 07:30 修正:2017-11-21 21:40
文化放送総局、スト終了 
シン・ドンホアナウンサーは降板 
『ピョン・チャンニプの視線集中』初放送  
最初の出演者はユ・ギョングン4.16家族協議会執行委員長
文化放送の時事番組『視線集中』が20日から正常放送を開始した中、シン・ドンホアナウンサー(左)の代わりにピョン・チャンニプアナウンサーが進行をつとめた//ハンギョレ新聞社

  「『めちゃくちゃになったマスコミの被害者はまさに国民だ』公正な放送を求めてストライキに取り組んだわれわれ文化放送(MBC)と韓国放送(KBS)の労働組合員たちにこのようなお叱りをくださった方です。再スタートする『視線集中』の最初のインタビューを、416連帯のユ・ギョングン執行委員長と進めたいと思います」(ピョン・チャンニプアナウンサー)

 72日間のストライキを終え、20日午前、文化放送の看板ラジオ時事番組『視線集中』が正常放送に入った。進行は不当労働行為の疑いなどで提訴されたシン・ドンホアナウンサー局長の代わりに、審議局に不当配転されたピョン・チャンニプアナウンサーが担当した。ピョンアナウンサーはこの日のオープニングで「17年間休まず走り続けてきた『視線集中』が、70日間あまり止まった。(…)長く複雑な話で言い訳や弁解はしない。公営放送MBCを守れず、非正常な動きを繰り返した最も大きな責任は、われわれMBC構成員みんなにあることを痛感している」と話した。ピョンアナウンサーはさらに「今後は良い放送でお応えする。カネと権力に振り回されない放送、強者よりは弱者の声に耳を傾ける放送、疲れきった人々に慰労と希望を与える放送としてお返ししていく。短くは2カ月あまり、長くは数年間、もどかしさに耐えて忍耐してくださった聴取者の皆さまに謝罪の言葉を伝えたい。遅くなったが正しい方向へ再び走る」と付け加えた。

 正常化した『視線集中』の最初の出演者は、ユ・ギョングン4.16家族協議会執行委員長だった。ユ執行委員長は、セウォル号未収拾者の出棺を終えて火葬のため水原(スウォン)火葬場に向かう道で『視線集中』との電話インタビューに応じた。セウォル号未収拾者葬儀、24日に国会本会議上程を控えた第2期セウォル号特別調査委員会関連法案(社会的惨事法)などに関する話を交わした。

 文化放送の再建についても話した。進行を務めたピョン・チャンニプアナウンサーは、インタビューの最後に「実は、私たちはユ委員長にインタビューを要請しながら非常に迷った。私たちがまだ完全に変わったともいえない状況だからだ。私たちのストを横で見守りながら。また、これまでマスコミが本来の機能を果たせなかったことをやるせなく目撃しながら、これからマスコミがどう変わらなければならないと思うか(話してほしい)」と尋ねた。

 これに対してユ執行委員長は「まず、ストライキを終えてこのようにまた本来のMBCの姿に戻るためにスタートする姿を本当に祝福し、応援したい」とし、「一番重要なことは、政権や国会の力でこのメディアを変えたのではなく、まさに職員の皆さん、言論人の皆さんの力でこの環境を変えたというのが一番重要だと思う。その力が、これから誰が社長になっても、誰が取締役になっても、屈せずにメディアの公正性を保っていくのに大きな力になると思う。特に私たちのような現場の被害者が現場で大きな被害を訴えるとき、取材するとともに、胸を痛める国民の涙をぬぐうことができる役割も果たしてくれるようお願いする」と話した。

 全国言論労働組合文化放送本部の関係者は「かつて経営陣の不当な監視と統制の中で、セウォル号関連の内容が事実上“放送禁止”に縛られていたことを考えると、『視線集中』の今日のインタビューは文化放送の正常化の流れで非常に象徴的な場面」だと評価した。8月、文化放送ラジオのPD(プロデューサー)約40人は制作拒否に突入した記者会見で、日本軍慰安婦問題とともにセウォル号沈没の惨事が報道統制が最も深刻なアイテムだと暴露した経緯がある。セウォル号と関連するアイテムを取り上げても「政府」、「海洋警察」、「ヘリ」のような単語を削除したり、セウォル号から油が流出し被害を受けた漁民のニュースをもっと強調するよう指示が下りるような形だった。先月、労組は檀園高校の生徒たちが撮影した携帯電話の映像を確保していながらもニュースには使用できないようにするなど、文化放送報道局の歪曲・偏向報道指針を暴露した。

キム・ヒョシル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/819772.html韓国語原文入力:2017-11-20 10:44
訳M.C

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