登録 : 2017.11.03 07:28 修正 : 2017.11.03 18:39

2013年の検察「国家情報院コメント捜査」妨害に関与した疑惑を受けているチャン・ホジュン釜山地検長が先月29日午後、取り調べを受けるためにソウル瑞草洞のソウル中央地検に入ろうとしている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社
 3年前のことだ。K検事と法曹担当記者数人と一緒になった席で、韓国社会の表現の自由の萎縮問題について意見を交わした。K検事は確信に満ちた声で言った。「大韓民国の自由はあふれかえっている」と断言した。反論が強かったが、その検事はむしろ「勉強しろ」というふうに反撃した。そして、勧めてくれた本が自由民主主義を人類イデオロギー進化の終点と宣言したフランシス・フクヤマの本『歴史の終末』だった。後で知った事実だが、私たちが会話を交わした当時は、朴槿恵(パク・クネ)政権が作成・実行したいわゆる「ブラックリスト」によって社会全般的に表現の自由が深刻に毀損されていた時期だった。

 2013年「国家情報院の大統領選介入事件」捜査を妨害した疑いで検察捜査を受けている現職検事3人組によって、検察内部はパニックに陥った。ソウル地域のある部長検事は、このうちの1人を指して「問題が起こりそうな気配がしただけで千円ほどのご飯も食べずに席をけって立ってしまう人だが、そのようなことをしたということが理解できない」と話した。他の検事らも「マスコミに報道されている内容は本当に事実なのか」、「(該当する検事らは)国情院に利用されたようだ」、「誰でもその場にいたなら同じことをしたんじゃないか」という反応を見せた。自分と同じ仕事をする検事を理解する「同情論」、さらに検事の逸脱を簡単に受け入れられない一種の「検事無誤謬」論の延長線上に出た発言だ。

 実際、多くの検事たちが嘘をつくのを最も嫌がると口癖のように言う。あらゆる真実と嘘が混在する尋問の過程で、ひたすら真実を見つけなければならない仕事をしているので、そのような考えを持つようになったのだろう。

 そのような検事たちが捜査を妨害するために国情院の職員たちに「嘘の供述シナリオ」を書き、偽の事務室を作って「リハーサル」まで行い、それでも足りず「検察捜査の違法性を強調せよ」という指針を作った。

 もしかすると、国情院を守ることが、朴槿恵大統領当選に対する中傷を防ぐことが、政権を死守することが、自由民主主義を守ることだと確信したのかもしれない。そのような確信が目の前の真実から目を背け、自由民主主義の根幹である法治主義を毀損することへの迷いも消してしまったのかもしれない。

 検察内部でも自省の声が出ている。最近会った検察のある高位関係者は、公安検事らを強く批判した。「公安、安保、自由民主主義、このようなことが重要だということを知らない人もいるのか。自分たちが考える公安、安保、自由民主主義だけが正しいといって考えに閉じ込められている。こういう人の脳をやわらかく変えなければならない」と話した。

 実際、「公安」(公共の安寧)という文字自体は非常に包括的な意味を持つ。そのような業務をなぜ専門化された特定検事集団が引き受けるのかから再び考えてみる必要がある。「公安」という言葉についた否定的な感じを、公安検事ら自ら作り出しているのではないか、省みる必要もある。

 K検事は今、仲間の検事らによって捜査を受ける立場になった。世論操作が「主な業務」だったといっても過言ではないほど、国情院が行ってきた各種の工作の実体は全国民に大きな衝撃を与えている。このような工作が、国民の自由であるべき判断を歪曲させ、それによって人と人との信頼が少しずつ崩れてしまっているという取り返しのつかない結果をもたらした。

 正義と人権を正し、犯罪から隣人や共同体を守る(「検事宣誓」の一部)検事から捜査対象に転落してしまった今も、K検事はあの時の確信を固守しているだろうか。

キム・ヤンジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2017-11-02 22:15
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/817170.html 訳M.C(1755字)


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