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北朝鮮、拿捕した韓国漁船を6日後に送還

登録:2017-10-28 05:56 修正:2017-10-28 09:04
李明博政権時代より短く、盧武鉉政権時代よりは長い 
政府「意味見出す段階ではない」
今月21日未明、東海上の北朝鮮側水域を侵犯し拿捕された韓国漁船「391フンジン号」が27日、北朝鮮から送還された=391フンジン号船主提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が最近、東海上の北朝鮮側水域で拿捕されたとされる韓国漁船と乗組員らを27日午後、東海上に帰した。韓国の船員が北朝鮮に拿捕され、強制送還されたのは7年ぶりだ。

 統一部当局者は「午後6時45~50分頃(船舶と乗組員らが)引き渡された」と明らかにした。彼らは海洋警察と一緒に束草(ソクチョ)港を通じて帰還した後、北朝鮮に拿捕された経緯などに対する調査を受ける予定だ。

 これに先立ち同日午前、北朝鮮の「朝鮮中央通信」は「当該機関の通知によると、今月21日未明、南側(韓国)の漁船『391フンジン号』が(北)朝鮮東海のわれわれ側の水域に不法侵入し、取り締まりを受けた」とし、「調査の結果、南側の漁船と乗組員らが漁業のため、わが水域を意図的に侵犯したことが判明した」と報じた。同通信は「南側の乗組員全員が違法侵入の事実を認めて重ねて謝罪しており、寛大に許すことを要請した点を考慮して、人道主義的見地から彼らを船と共に帰すことにした」と伝えた。北朝鮮は、南北間の連絡チャンネルが全て途絶えた状況を考慮し、「朝鮮中央通信」で報道する形で彼らの送還方針を知らせたものとみられる。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は今年5月の発足以来、今まで8回にわたり北朝鮮住民を送還したことがある。しかし、韓国漁船が北朝鮮に拿捕されたのは2010年8月の漁船「55デスン号」以来7年ぶりだ。南北関係が悪化していた李明博(イ・ミョンバク)政権当時、北朝鮮は韓国側の乗組員らを30日後に送還した。一方、南北関係が順調だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2005年には拿捕された船舶3隻がすべて当日送還された。

 北朝鮮の今回の措置について、政府当局者は「まだ意味を見出すような段階ではないと思われる」と慎重な態度を示した。東国大学のキム・ヨンヒョン教授は「北朝鮮は米国が北朝鮮人権問題を提起する状況で、これをなだめ、トランプ米大統領のアジア歴訪を控えて情勢を判断しているものとみられる」とし、「(漁船の送還が)対話ジェスチャーの含意を持っていると見るのは難しいが、北朝鮮が自らの名分を作る過程と言えるかもしれない」と話した。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/816419.html 韓国語原文入力:2017-10-27 23:48
訳H.J(1083字)

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