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犬農業主たち「引き下がるところがないから犬を連れて光化門にきた」

登録:2017-09-23 07:14 修正:2017-09-23 07:50
光化門「犬肉合法化」デモ 
「廃業補償必要ない…合法化しなければ大統領府に食用犬を返納する」
動物の権利団体「ケア」の会員たちが今月22日午後、ソウル鍾路区孝子路で大韓肉犬協会が食用犬を率いて「犬肉合法化を訴える集会」の後、大統領府の方向に行進する間、プラカードを持ってデモを行っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 22日昼、ソウル光化門(クァンファムン)広場一帯で、犬農家の集まりである「大韓肉犬協会」所属の会員250人余り(警察推算)が集会を開いた。会員らは犬の食用合法化を主張し、全国から集まった。

 同協会の会員たちは犬農家の転業・廃業補償もいらないとし、強硬な立場を示した。京畿道圏の農場で飼育されている60~70キログラムの食用犬9匹も貨物車に乗せられてきた。犬が乗った貨物車には「これは食用犬、私たちはペットを飼わない!」「犬肉の合法化を」という言葉が書かれた横断幕がかかっていた。農業者らは貨物車に乗せられてきた犬について「市民たちが私たちの連れてきた犬を見て、家で飼うペットとどれほど違うか知ってほしい」と話した。集会現場の騒音を貫いて犬たちが吠えた。

 国民儀礼で始まった集会現場でキム・サンヨン大韓肉犬協会代表理事は「動物団体の主張は善良な食用犬関係者を愚弄するものだ。この集会は私たちの権利と生業のための闘争だ。犬食肉はわが国固有の文化と伝統だ。動物保護法は悪法」と主張した。

大韓肉犬協会の会員たちが今月22日、ソウル光化門世宗路公園で集会を開き「犬肉合法化」を求めている。京畿地域の農場から連れてきた食用犬も共にした=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 農業者たちは早朝から全国各地から上京して集会に参加した。キム・パンギ大韓肉犬協会組織理事は、全羅南道霊岩(ヨンアム)から午前3時に犬700匹にえさを与えてソウルに来た。キム氏は「引き下がるところがなくて来た」と話した。済州で20年間犬を飼っている同協会済州支部長のイ・チャンソクさん(63)は、朝9時の飛行機に乗って集会に参加した。平均600匹の犬を育てる彼は「この仕事をやめたら他にやることがなく、子どもの養育と母の生活費をまかなえないため」集会に参加したと明らかにした。朝6時に起きて犬にえさを与え、天気と関係なく夜10時まで働くというLさんは、動物保護団体のために消費が萎縮し生活が苦しいと強調した。「以前には済州島から半島に肉をたくさん売ったが、今は済州でのみ消費する」とし、済州道で食用犬を飼っているところは80の農家であり、通常少ないところで300~400匹、多いところで1000匹を飼っていると話した。また、許認可を受けるのがますます難しくなるため生活が厳しいと話した。

 集会に出席した会員たちは、政界と市民世論、動物保護団体に深い不信と露骨な不満を表わした。「国民が農民に銃を向けている。私は(食用)犬を飼って生計を立てているが、一生懸命汗を流す自分は堂々としている。政府と国会議員はこの国のために考えなければならないときに、ペットを家族として保護しなければならないという。こんなことは話にならない。私が納めた税金をペットに使うな」。ある農業主が発言の演壇に上がって叫ぶと、農業主たちは拍手をして支持を送った。

 農業主たちはいわゆる「犬肉禁止法」を発議する考えを明らかにした共に民主党のピョ・チャンウォン議員と犬農場補償と段階的な閉鎖など社会的合意を提示した正義党のイ・ジョンミ代表に対しても怒りを示した。両議員の所属政党である共に民主党と正義党に反対する発言をして旗を振った。農業主が掲げた旗には「犬共和国の国犬議員、犬民主党を打ちのめせ」「ピョ・チャンウォンの犬肉禁止悪法を命かけて阻止する」などの言葉が書かれていた。

警察を挟んで大韓肉犬協会の会員たちと動物保護団体の会員たちが対立している=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 最近、全国の在来市場で販売されている犬肉に抗生剤が大量に検出されたことを報道したハンギョレのオンライン動物専門メディア「アニマル・ピープル」についても、激高した感情をあらわにした。取材する記者らが所属を明らかにすると、話を中断して「ハンギョレ、出ていけ!」と怒鳴ったり、壇上で数回「ハンギョレ記者、出て来い」と叫んだりした。

 一方、彼らが集会を開く反対側には動物団体の反対集会が開かれた。動物保護団体「ケア」は「一緒に生かしましょう」と書かれたプラカードを持って向き合った。食用犬協会の会員たちはプラカードを掲げた動物団体の会員たちに「集示法(集会およびデモに関する法律)違反」と激しく抗議した。ケアは食用肉協会の集会をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて現場中継した。動物保護団体「カラ」のチョン・ジンギョン理事は、一部の農業主と対立して現場から退いた。食用犬協会の会員たちの行進にカラの活動家たちがプラカードを掲げて対立すると、衝突を防ぐために警察が出動した。

 農業主たちは大統領府まで行進しながら、互いに体を鎖で縛って長い行列をつくり犬の人形を抱えていくパフォーマンスも一緒に行った。行進が始まった午後3時から光化門広場から大統領府の方向へ4車線の道路が統制された。キム・サンヨン代表理事は、今日開かれた集会と関連して「(農業主たちの要求を)聞かないならば、食用犬の返納運動を開始する。そのはじまりが今日の集会」だと話した。

ユ・ジオン、パク・ジスル教育研修生、シン・ソユン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/companion_animal/812159.html 韓国語原文入力:2017-09-22 22:19
訳M.C(2403字)

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