原文入力:2009-08-26午前07:27:19
有罪に肩入れ‘無理な論理’記事化…無罪可能性に知らぬフリ
裁判所宣告 簡略に処理…偏向報道 弁明は全くなし
イ・ムニョン記者
←チョン・ヨンジュ前社長の背任疑惑を扱った朝鮮・中央・東亜の昨年の記事とコラム. (※クリックすればさらに大きく見ることができます)
‘チョン・ヨンジュ無罪’に見る朝鮮,中央,東亜日報の報道
“裁判所が調停案を承認し勧告案を出し相手方が応じる形態であれば、どちらか一方に背任責任を問うということは司法作用の属性に照らし難しい。”去る18日ソウル中央地裁が業務上背任疑惑で起訴されたチョン・ヨンジュ前<韓国放送>(KBS)社長に対して無罪宣告した理由だ。
“チョン(ヨンジュ)氏の行為は国民に対する背任だ。こういう人をどうして公営放送の社長の座にずっと座らせて置くことができようか。”検察が起訴(2008年8月20日)もしていない昨年7月19日、チョン前社長の背任を既定事実化し解任要求を露骨化した<朝鮮日報>の社説だ。裁判所が審理を始める前に言論が有罪宣告を下した格好だ。
検察の無理な法適用は司法機関を自認する保守言論の‘火付け’と‘支援射撃’があって初めて可能だった。今回の判決は常識と合理を度外視した保守言論の‘政治的報道形態’を白日の下に曝し俎上に載せたと言える。
チョン前社長の背任疑惑報道は検察が韓国放送前会計担当職員の告発(5月14日)を契機に捜査に突入した昨年6月から本格量産された。韓国放送が1審裁判で勝ち2448億ウォンの税金払い戻しを受けることができたのに、2審裁判所の調整を受け入れ556億ウォンしか返してもらうことができなかったというのが背任の根拠だった。
検察が昨年6~7月、チョン前社長に相次ぎ召還を通知する過程で‘検察・言論合作システム’は間違いなく稼動した。検察は韓国放送前労組委員長などの陳述内容を言論(<東亜日報> 2008年7月4日付,‘税金払い戻し訴訟取り下げ赤字埋めるとは思わなかった’)に流し、朝鮮,中央,東亜日報は検察関係者の話を積極的に引用し疑惑をあおりたてた。背任を主張する当時の労組文書を積極的に発掘し記事化(<朝鮮日報> 7月8日付,‘KBS赤字-退任圧力避けようとチョン・ヨンジュ社長,国税庁と合意?’)とか「その金(損害主張金額)ならば公営放送という表札に相応しい名品プログラム数百編を作ることができる」という記者コラム(<中央日報> 6月27日付,‘KBS社長免責特権錯覚?’)も送りだした。
チョン・ヨンウ民主言論市民連合共同代表は「朝鮮,中央,東亜日報は検察起訴を口実にチョン前社長が本当に背任を犯したかのように追い立て政権による公営放送掌握企図に協調した」と批判した。
‘チョン・ヨンジュ批判’意見ばかりを書くために誕生した無理な論理も少なくない。当時労組と検察はチョン前社長の裁判所調整受け入れが再任のための赤字免除という狙いで急いでなされたと強調したが、チョン前社長が国税庁の法人税追徴通知に対抗し会社次元のタスクフォースチームを構成したのは就任(2003年4月28日)後わずか1年(任期は3年)にもならない2004年2月だった。チョン前社長は今年6月‘最終陳述’で「検察主張のとおりならば任期満了2年余り前から再任を目的に訴訟を終わらせようとした計算」として「真に奇怪な計算犯」と反論した。当時はちょうど確定した2003会計年度決算が288億ウォンの黒字で出て来て、赤字論議とも距離があった時期だった。結局、裁判所は「調整時期は労組の退陣圧迫にはるかに先んじる」としてチョン前社長の手をあげた。
沸騰していた朝鮮,中央,東亜日報の口は無罪判決直後から一斉に‘沈黙モード’に入った。3新聞は判決の知らせだけを簡略に伝え、この間の攻撃的背任主張についてはいかなる弁明も出さなかった。パク・ジンギュ ソウル女子大教授は「朝鮮,中央,東亜日報は判決報道記事で叙述した裁判所の‘有罪不可’論理をチョン前社長解任過程では確かめてもみなかった」として「少しでも法曹界の話を聞いてみれば知ることが出来る内容を、最初から耳を傾けなかったり、知っていながら自分たちに不利だとし省いてしまったためだろう」と解説した。
朝鮮の無罪判決報道(8月19日付,‘チョン・ヨンジュ前KBS社長,背任疑惑 無罪宣告’)はその中でもとりわけ目を引く。朝鮮は無罪の情報を伝えながらも「被告人が会社の利益より社長の地位を維持しようという個人的な目的を理由にこの事件の調整に臨んだことではないかという疑いを抱いたりもする」という裁判所の話を付け加えた。チョン・ヨンウ代表は「朝鮮はあたかも裁判所もチョン前社長に罪があると考えるが立証できなくて無罪を宣告したという形で書いている」として「自分たちが抜け出す穴を作るという非常に悪意の報道姿勢」と批判した。 イ・ムニョン記者moon0@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/373176.html 訳J.S