登録 : 2017.06.29 23:21 修正 : 2017.06.30 06:55

中国の習近平国家主席と彭麗媛夫人が香港の主権返還20周年記念式などに参加するため29日、香港に到着した=香港/AP聯合ニュース
 先週“返還”20周年を取材するため香港に行ってきた。香港では雨が降り続いていたが、電車、バス、路上などで市民が傘をきれいに縛って通う姿が目についた。傘を畳んで縛ろうとすれば、自分の手が雨水で濡れるが、縛らなければ周囲の人に対して雨水をはねることになる。自分の手を濡らしたくないという問題と、他人も濡らしてはならないという問題を、同じく重要と考える市民意識のレベルではないかと感じた。そして、香港の人々は大陸(中国)からの観光客の悪口を口にした。彼らは唾を吐き、大声で騒ぎ、無秩序だと。

 会社員のSさん(38)は、中国北方の出身で学業と職場のためにニューヨーク、ロンドン、パリなどに暮らし、3年前に香港に定着した。彼は香港の人々を嘲笑した。「自分たちがそんなに優秀なのか。そんなに優秀だったら、香港は今よりはるかに良くなっている筈だ。すぐ隣の深センに行ってみろ。テーブルが4、5台しかない小さな食堂でも、スマートフォンで注文し、電子マネーで決済している。香港は未だに現金がなければどうにもならないじゃないか。ウーバーやディディのような車両予約サービスのない大都市が、世界中で香港以外にあるか?何十年間もいったい何をしていたのか。金融、不動産中心の経済で良くなったものがない。そのうえ、何かと言えば大陸のせいにばかりして。今後に希望があるか?大陸の人々の教養レベルは私が見ても情けないが、今後良くなる可能性はある」。

28日夜、香港反政府デモ(傘革命)の指導者の一人であるジョシュア・ウォンが香港返還を記念する造形物で座り込みを行い、警察に連行されている=香港/EPA聯合ニュース
 相互に対する“非好感”は、中国と香港を縛っている“一国二制度”を見る視角にも影響を与えている。香港の人に「朝鮮半島統一問題に関しても一国二制度の概念がよく議論される」と言ったところ、顔をしかめて「それでは一国は誰が務めるの?北朝鮮中心の一国になっても、韓国は受け入れられる?」と、考えもしなかった素早い反応を見せた。中国の人に一国二制度を尋ねると、「30年後にはなくなるだろう」と軽くあしらった。1997年に「今後50年間、香港の体制を維持する」と言ったので、その時に与えられた50年の猶予期間のうち、既に20年が過ぎたということだ。

 20年前“香港返還”を一カ月後に控えて封切られた「新しい出発、耳の痛み」というドキュメンタリー映画があった。その頃、香港から外国に去った人々とは反対に、外国から香港に戻った人々を扱って、あたかも飛行機が離陸する時に体験する耳の痛みのような不適応を扱った作品だった。最近、香港のあるメディアがこの映画に出てくる人々に再会してインタビューした記事を出し、再び話題になった。

 チンナムキュは植民地香港より中国共産党支配がさらに進歩的だと考えた数学者であった。“中国公民”になれるという期待をもって米国での教授生活をたたんで香港に戻った。今は妻と一緒に各種の反中集会に参加する熱血活動家になった。「以前の香港には民主はなくとも自由はあったが、今は自由もますます迫害を受けている。中国は私たちが立去ることを願っているようだ」

キム・ウェヒョン北京特派員//ハンギョレ新聞社
 デニスは1989年の天安門事件を見て驚いた母親の決心のおかげで、10代で家族全員がカナダのバンクーバーに移住した。2003年に香港に戻り、博士課程を終えて教授になった彼は、自身の授業を聴く大陸の学生たちがますます増えていると話した。「もしこちらで長く暮らすことになるならば、香港にますます増える大陸移民者とどうすれば一緒に暮らすことができるのかを明確にしなければならないようだ」

 名前こそ“一国二制度”だが、事実上吸収されたという思いのためか、香港の人々は不満と不安を、中国の人々は自信を見せる。今後、中国は香港の違いをどこまで認めるだろうか。また香港は、どこまで中国化されうるだろうか。今でも香港の車は中国とは異なり左側を走る。

キム・ウェヒョン北京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-06-29 20:58
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/800835.html 訳J.S(1724字)

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