北朝鮮の6回目の核実験の可能性が高まり、朝鮮半島の緊張が高まる中、5人の大統領選挙候補らは概して「中国の北朝鮮制裁を圧迫し、北朝鮮の核実験の可能性を封鎖しなければならない」との意見を示した。
19日、ソウル汝矣島(ヨイド)のKBS(韓国放送)で開かれた大統領候補招請討論会で「韓国政府が北朝鮮の核実験を阻止できる外交的テコは何か?」という司会者の質問に対し、5人の候補たちは皆、中国の役割を強調したが、北朝鮮に対する態度については意見が分かれた。
共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補は「同盟国である米国と緊密に協議し、協力しなければならない。その過程で、私たちの立場も十分に反映できるよう、言うべきこと言わなければならない」としたうえで、「米国と中国が取った高いレベルの対北朝鮮制裁と圧迫に、大韓民国も参加する意向があることを明確にした方がいい」と述べた。彼は「中国についても、北朝鮮が核実験を強行すればTHAAD配備は避けられないという点をはっきり伝えるべきだ」として、THAADをテコにして中国との協議を進めることに重点をおいた。
国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補は「さまざまな状況について、私たちが主体となり、韓国の運命を決めるべきだということを米国に認識させることが重要だ」としたうえで、「朝鮮半島の不安定が中国の国益を損なう可能性があると説得し、中国が対北朝鮮制裁に参加するよう外交的努力を傾ければならない」と述べた。
自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補も「中国の武大偉特使に会った際、THAAD配備をめぐり論争するのではなく、北朝鮮の核実験を阻止してほしいと話した」とし、「朝米の極端な対決を防ぐためには、中国の役割が最も重要だ」と強調した。
正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)候補は「米国と中国が朝鮮半島の平和保障の原則を宣言できるよう、積極的な仲裁者、促進者の役割を果たすつもりだ。それをもとに金正恩(キム・ジョンウン)政権を北朝鮮の核凍結、非核化テーブルに座らせるアメとムチを用意する」とし、朝鮮半島の平和の保障を通じた根本的な解決策を提示した。
正しい政党の劉承ミン(ユ・スンミン)政党候補は5人の候補たちの中では北朝鮮に対し最も強硬な立場を示した。彼は「先制攻撃は、北朝鮮の核攻撃の兆候がある際に、予防的自衛権レベルで行うものだ。『先制攻撃は絶対にしない』と言うのは、非常に危険な安保観点を持っていることを示す」と述べた。彼は「韓国と米国が共同で中国を説得し、対北朝鮮制裁をさらに強めなければならない」とし「そうすればこそ、北朝鮮が金正恩体制を継続するのか、それとも核ミサイルを抱えて死ぬのかが決まる」と声を高めた。