明日の帰国の際、立場言及の可能性
被害者・人権重視の原則を再確認する見込み
潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長はかつて、日本軍「慰安婦」被害者問題に関連する12・28韓日合意を「歓迎」し、朴槿恵(パク・クネ)大統領に「感謝」の意を伝えている。12日に帰国する潘前総長は、正反対の世論の前でどのような立場を示すのか。
潘前総長側の戦略企画チームに所属するある関係者は10日、これに対する立場を問うハンギョレの質問に「(12・28合意など外交懸案は)潘前総長の専門分野だ。帰国の際に言及するだろう」と話した。記者たちの予想質問の一つとして準備してあるという意味だ。また別のある側近は「被害者の立場を十分に反映した再交渉を主張する国内世論を潘前総長はよく知っている」と話した。
潘前総長はこの合意が結ばれた2015年12月28日(ニューヨーク時間)声明を出し、「韓日慰安婦合意を歓迎する。朴槿恵大統領と安倍晋三首相のリーダーシップとビジョンに感謝する」と明らかにした。また、昨年1月1日、朴大統領に電話をかけて「朴大統領がビジョンをもち正しい勇断を下したことについて、歴史が高く評価するだろう」と話した。潘前総長は当時、親朴槿惠派の有力な大統領選候補に挙げられていた。
潘前総長が帰国して明らかにするであろう立場は、昨年3月11日に提出した釈明から類推できる。当時、潘前総長は12・28合意を批判する世論が強まると、国連を訪問した日本軍慰安婦被害者との面談で「慰安婦問題解決のための韓日政府の努力を歓迎しただけであり、合意内容自体を歓迎したわけではなかった」という趣旨で釈明した。潘前総長はこの面談直後に別途の発表文を出し、「私は(慰安婦被害者である)キル・ウォンオクさんや他の方々が経験した苦しみに共感する。犠牲者と生存者たちの声を聞くことが重要である。すべての当事者が人権の原則、被害者中心の原則の下で、対話を通じてこの問題を包括的に解決することを促す」と明らかにした。これは韓日両国が合意を守れということなのか、再交渉せよということなのかも不明確な、外交官特有の当たり障りのない発表という評価を受けた。潘前総長は帰国の際にも、大枠でこれと同様の解決策を提示するものと予想される。