登録 : 2016.07.28 06:55 修正 : 2016.07.28 07:23

星州デモに外部勢力が介入したとする不当指示が問題に

16日、KBSは「ニュース9」で星州郡庁を訪れたファン・ギョアン首相が生卵やペットボトルを投げつけられたと報じ、25年前のチョン・ウォンシク首相の関連映像を流した=KBSからキャプチャー//ハンギョレ新聞社
 15日、ファン・ギョアン首相が高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)配備地域に選定された慶尚北道の星州(ソンジュ)を訪問した時、KBS(韓国放送)の記者が生中継のために星州郡庁の脇の不動産店に電気の連結を頼んだ。しかし不動産の店主は「KBSはだめだ。あんなふうに報道するんだったら電気は貸せない」とプラグジャックを隠してしまい、「私が放送するのを見てから判断して下さい」と頼み込んだあげくに、ようやく電気を連結することができたという。

 「イ・ジョンヒョンーキム・シゴン報道介入通話記録」で物議を醸した公営放送KBSで、今度はTHAAD関連報道に対する「不当な指示」の問題が持ち上がった。KBS全国記者協会は20日午後、「取材現場を無視したTHAAD公安政局作りを拒否する」と題した声明を出し、「現場記者の声は無視したままTHAAD配備反対デモと関連して『外部勢力介入』という レポートを出せなど “上部”から“不当な指示”が続いている」と主張した。

 19日、KBSは「ニュース9」の5番目のコーナーで「先週開かれた星州郡庁前のTHAAD反対集会に外部団体の人が参加したことを確認した」という警察の発表を取り上げたが、異例にも現場記者ではない大邱(テグ)総局の取材デスクのパク・チュンヒョン記者が自らレポートを担当した。 これについてKBS全国記者協会は「当日午後にレポート作成の指示を受けたパク記者が、こんなレポートを後輩に指示するわけには行かず本人が書くと言ったもの」と背景を明らかにした。

 パク記者は「確認された事実は『統合進歩党など政党関係者がデモの現場で目撃された』ということだけなのに、彼らがまるでデモを主導し、首相に生卵と水の入ったペットボトルを投げつけたかのように追い込んでいく記事は書けない」「もし書くなら『従北(北朝鮮シンパ)攻撃を中断せよ』という星州住民たちの反論を必ず入れるようにしなければならない」などと主張したが、ネットワーク部長は「レポートするしかない状況だ」と“上部から”の指示を仄めかしたという。結局、作成された最初の原稿は4回の修正の末に放送された。 実際に放送された1分42秒のレポートの大部分は警察発表を伝えており、星州THAAD配備阻止闘争委員会のペク・チョルヒョン委員長の「従北攻撃批判」は13秒間放送された。

 ファン・ギョアン首相が星州に行って生卵とペットボトルの洗礼を受けた翌日の16日、KBSはこれを報道するに当たって、25年前の当時のチョン・ウォンシク首相に小麦粉の洗礼を浴びせた学生たちが懲役刑を受けた事件に言及し、当時の映像も入れた。これに対して全国記者協会は「(上部から)写真まで入れるようにと具体的に指定したものだ」として「客観報道を装い“公安政局作り”を指示している」、「セウォル号事故当時『キレギ』(記者の「キ」に「スレギ(ごみ)」の「レギ」を付けた造語)と言われて嘲弄され侮辱されたのを繰り返したくなかったら、公安政局作りに現場の記者を利用するな」と主張した。

 これに対してKBSは「当該記事は報道局編集会議で記事としての価値があるという判断により採択されたものであって、いわゆる“上部から”の指示でなされたものではない」と明らかにした。 ネットワーク部のオ・ヒョンジュ部長は 「星州THAAD闘争委のペク・チョルヒョン委員長のインタビューで“従北攻撃”が言及されるなど、これまで現場記者たちの意見を尊重して現場の状況と住民の主張などを客観的に報道してきた」という立場を表明した。

 これに先立つ15日、THAADと関連した「報道指針」で問題提起されていた。全国言論労組のKBS本部(新労組)が「コ・デヨン社長が役員会議でTHAADと関連した関連のニュース解説で問題を提起し、実際に解説委員に圧力が加えられた」と主張した。当該解説委員は実際にこの日、放送文化研究所に発令された。記者協会報に「イ・ジョンヒョンーキム・シゴン対話録音記録」についてのKBSの報道姿勢を批判する寄稿を載せたチョン・ヨヌク記者も、この日、突然済州放送総局に発令され報復人事の問題まで起きている。これに対してKBSは「コ社長は役員会議でTHAADの報道に対する原論的な話をしただけで、特定のニュース解説に言及してはいない」「人事発令は人事の原則によったもの」として新労組の主張を否定している。

 「イ・ジョンヒョンーキム・シゴン対話録音記録」に次ぐ「THAAD報道指針」や「報復人事」などの問題が続くなか、KBS内部の構成員の声は徐々に大きくなり始めている。新労組は18日から毎日社内で小型プラカードによるデモを始めており、21日には臨時組合員総会を開いて会社側の姿勢を糾弾する予定だ。この日午後開かれるKBS臨時理事会では、THAAD報道指針問題が案件として論議される見込みだ。

 一方、KBS報道本部の幹部らは外部の媒体に寄稿した記者に責任を問い、「進歩左派媒体」を非難する内容の立場を表明した。チョン・ジファン報道局長をはじめとするKBS報道本部幹部31人は19日夕方、社内掲示板に「最近の懸案に対する報道本部局部長団の立場」と題する文を載せた。「イ・ジョンヒョンーキム・シゴン対話録音記録」について彼らは「イ前首席の協力要請にもかかわらず海上警察関連ニュースはそのまま放送された。本質はKBSニュースが影響を受けなかったという事実だ」とし、「報道介入」という内外の批判自体を否定した。「KBSが録音記録について沈黙している」という批判に対しては「KBSが関連訴訟(キム・シゴン前局長の懲戒無効訴訟)の当事者であるから、ニュースを製作報道して会社の立場を明らかにするのは適切でないという判断」があったと明らかにした。

 またチョン・ヨヌク記者に対する人事措置については「外部の媒体に非常識な論理で会社の名誉を失墜させる寄稿をしておきながら、何も起きないことを望むというのは誤りだ」「KBSの人間としてKBSを売って名を上げたなら、堂々と後始末もするのが当然の姿勢」と事実上、報復人事を正当化する主張を展開した。また、「労組や協会、掲示板の文等は進歩左派媒体の論調が至高至善のガイドラインであるかのようにKBSニュースを攻撃している」、「進歩左派媒体は待ってましたとばかりに声明を活用してKBSニュースを思いきり嘲弄している」とも主張した。

 一方KBS側はこの日の夕方、「全国記者協会が社内掲示板から声明書を自ら撤回した。これにより、この声明書を引用する全ての記事に対し法的責任を問う」と表明。これに対し全国記者協会のノ・ジュンチョル会長はハンギョレとの電話インタビューで「今日出した声明書に用語上の誤り等があって掲示板から撤回したのは事実だ。しかし声明書に盛られた立場やファクトは基本的に維持されている。用語を修正して声明書を再度掲載するか、それとも会社側のTHAAD関連報道をもう少し見守るかについては、内部論議の結果、いったん見守ることに決めた状態だ」と明らかにした。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-07-20 17:11

http://www.hani.co.kr/arti/society/media/753160.html  訳A.K

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