難航が予想された第23回ASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議の結果を盛り込んだ議長声明が、閉会翌日の27日(現地時間)に採択された。例年通り北朝鮮の核問題に関連する内容が含まれた一方、在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)の配備をめぐる議論と関連した文言は声明に盛り込まれなかった。今回の会議の最大懸案である南シナ海問題については、国際仲裁裁判所(PCA)の判決(12日)に対する反応や中国の攻撃的な領有権主張に対する懸念などが明記されなかった。
会議の議長国であるラオス政府は同日午後、「議長声明」の最終稿をホームページで発表した。
北朝鮮の核問題をはじめとする朝鮮半島関連の言及は、声明8項に4つの文章でまとめられている。まず「長官らは、国連安全保障理事会関連決議に違反し北朝鮮が1月6日に行った核実験や2月7日のロケット発射、7月9日の弾道ミサイル発射などを含む朝鮮半島の最近の状況に対する懸念を共有した」と明らかにした。同声明は「ほとんどの長官が、北朝鮮が国連安保理決議2270号をはじめとする関連決議を順守することを求めるとともに、すべての関係国が域内の平和と安全維持、平和的方法による朝鮮半島の非核化過程を促進する6カ国協議の早期開催に必要な環境を整えるため共同の努力を加速させていくことを要請した」と明記した。同声明はまた、「長官らは南と北の持続的な対話と協力を通じた統一を支持する」としたうえで、「人道主義的な懸念の重要性を確認する」と明らかにした。
政府当局者は、議長声明に盛り込まれた北朝鮮の核兵器についての言及と関連し、「私たち(韓国政府)が盛り込むことを目指していた事項がすべて反映された、非常に良い文言だと評価している」と話した。
一方、今回の会議の最大の争点だった南シナ海問題に対しては、ASEAN外相会議の議長声明に続き、ARFの議長声明でも中国の南シナ海における領有権主張を退けた国際仲裁裁判所の判決に対する言及がなく、中国が米国・日本などからの波状攻勢を比較的にうまくかわしたものとみられる。特に、昨年のARF議長声明に南シナ海問題と関連して明記された「国際法の順守」という表現が今年の議長声明からは姿を消したのも目を引く。国際仲裁裁判所の判決を「無効」として認めていない中国を意識した調整と思われる。南シナ海問題をめぐる外交戦で中国が「勝利」したことを意味するものといえる。
韓国語原文入力: :2016-07-27 21:46