国連がいわゆる「北朝鮮レストラン集団脱北」事件に対する調査を本格化させていることが確認された。人権問題を扱う国連の中心機構である人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、脱北した元従業員らの家族を調査するため、早ければ今月末、平壌(ピョンヤン)訪問を計画していることが分かった。こうしたなか、政府は国連人権高等弁務官事務所の脱北従業員の面談要請を何度も拒否していたことが分かり、彼女たちの外部との接触遮断をめぐる疑惑がより深まっている。
7日、ハンギョレが政府関係者、複数の非政府機構(NGO)、対北朝鮮筋などを取材した結果、国連人権高等弁務官事務所は「脱北」した従業員と北朝鮮の家族の面談などの非公開の調査を進めている。国連の事情に詳しいある消息筋は「今月末か来月初めに国連人権高等弁務官事務所関係者が平壌を訪問し、脱北した従業員の『誘拐・拉致』を主張する家族たちと面談調査することにした」と話した。北朝鮮にいる親が4月に国連の人権高等弁務官と人権理事会(UNHRC)議長に救済を求める書簡を送ったことによるものだ。9月に始まる国連総会で、北朝鮮が「集団脱北」問題を提起するものと見込まれるなか、事前調査を進めている国連人権高等弁務官がこの問題を議題化するか注目される。
国連人権高等弁務官事務所は6月頃から政府にも何度も脱北した元従業員の接触を要請したが、断られていたことが確認された。匿名を希望するある北朝鮮人権関連の市民団体関係者は「国連人権高等弁務官事務所の高官級とソウルにある国連北朝鮮人権事務所が、政府に北朝鮮のレストラン元従業員との面談を要請したが拒否された」と話した。外交部当局者は「国連人権高等弁務官事務所の面談の要請があったが、関連省庁を通じ、当事者の元従業員が面会を望まないという意思を伝えてきたので要請を拒否した」と答えた。国家情報院は「外交部に確認してほしい」と関連事実の確認を拒否した。
昨年6月、ソウル鍾路区に事務所を開設した国連人権高等弁務官傘下の北朝鮮人権事務所は、北朝鮮人権監視の役割を果たしている。このため政府は、2月から北朝鮮人権事務所が北朝鮮離脱住民定着支援事務所(ハナ院)を訪問して脱北者の面接調査ができるよう承認している。ところが今回の集団脱北の元従業員らは、国家情報院長が慣例を破りハナ院に送らないことを決定し、国情院が統制する北朝鮮離脱住民保護センター(旧合同尋問センター)に滞在させて3カ月目になる。これに対し北朝鮮人権事務所が脱北した元従業員の面談を政府に要請していた。
韓国語原文入力:2016-07-08 01:21