登録 : 2016.05.22 13:37 修正 : 2016.05.23 06:56

「獄中差し入れのための旅館路地」 
強制退去で業者と住民が衝突

ソウル市のパク・ウォンスン市長(中央)が17日、ソウル鍾路区毋岳洞の再開発現場「西大門刑務所の獄中差し入れのための旅館路地」を訪ね、「撤去を中断させる」と宣言した=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 再開発事業組合がソウル鍾路(チョンノ)区毋岳(ムアク)洞の「獄中差し入れ旅館路地」から住民を強制退去させようとすると、ソウル市のパク・ウォンスン市長は「あらゆる手段を使って路地撤去を中断させる」と宣言した。

 17日朝6時40分頃、組合側の警備会社員60人余りが「獄中差し入れ旅館路地」で座り込み中の住民と市民団体メンバー50人余りを引っ張り出し、物理的な衝突が起こった。

 住民と緑の党、「安心して商売したい商人の会」などで構成された「獄中差し入れ旅館路地」保存対策委員会メンバー50人余りは、唯一撤去されずに残っている「クボン荘旅館」にとどまっていた。 1時間半ほど対峙したが、警備会社の社員が消火器で消化液をまき散らしながら住民側を制圧し、什器なども持ち出した。心臓疾患を患っていた市民団体メンバーが倒れ、近くの病院に運ばれた。

 消息を聞き午前11時30分頃現場を訪ねたパク市長は、「ソウル市が可能なあらゆる手段を使ってこの工事は止めさせる。私が損害賠償を請求されても構わない」と述べた。クボン荘から追い出された住民等はこの言葉を聞くと涙を流して拍手した。 パク市長は「(撤去) 工事がかなり進んでいて状況が難しいのは分かっている。しかし私が今日対策委と会うことになっていたのに、その朝こういうことをするというのは礼儀にも反する。説得と共に他の道はないか検討してみようと言ったのに、会うことを知っていながらやったんじゃないのか」と批判した。

 パク市長はこの日の午後、市長室で対策委関係者と面談する計画だった。

 「獄中差し入れ旅館路地」を含む母岳第2区域再開発事業組合は、退去を拒否する住民たちを相手に明渡し訴訟を提起して最近勝訴した。 5月4日に住民たちは「11日までに自ら退去せよ」という組合側の強制執行予告状を受け取ったが、応じなかった。

 再開発施行社のロッテ建設は「獄中差し入れ旅館路地」を含む母岳第2区域再開発地区約 1万平方メートルに195世帯入居のアパートを建てる予定だ。 対策委は「獄中差し入れ旅館路地は白凡・金九(キムグ)先生が西大門(ソデムン)刑務所に囚われていた時、母親のクァク・ナゴン氏が針仕事をしながら獄中差し入れをするなど、独立闘士とその家族たちの哀歓のこもった100年の歴史の現場なので、保存しなければならない」と要求して来た。

 これに対しソウル市は3月、「未移住の住民たちと組合、鐘路区役所の間の事前交渉が完了していないし、獄中差し入れ旅館路地等の保存方案について現場調査中にあるので、撤去猶予の措置を取って頂きたい」という公文書を鍾路区などに送ったが、組合はこれを無視した。 鍾路区もやむを得ないという立場を示すだけだった。 パク市長が「撤去中断」という「超強硬策」を持ち出した理由はここにある。ソウル市は「今すぐ撤去を中断し、合意なしにはこれ以上の手続きが進行されないようにするという意志の表明だ」と述べた。

 パク市長は2012年7月、龍山(ヨンサン)撤去民死亡事件を扱った映画『二つの門』を観て、「私が当時ソウル市長だったら、あの前(籠城している所)に行って強制撤去ができないように、警察は撤退せよと言っただろう。国家権力がこんなに残忍であってはならない」と発言している。 その年、冠岳区奉天(ポンチョン)8洞奉天12-1の再開発事業区域に対する「強制撤去通告」の報道後、ソウル市の「強制撤去不許可」方針を明らかにし、ソウル全域の強制撤去現況を調査するよう指示を出した。

ウォン・ナギョン、イム・インテク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-17 16:23

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/744215.html  訳A.K

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