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死亡者に健保料通知…法の後に隠れて傷をこじらせるだけ

原文入力:2009-07-20午後02:25:13
龍山惨事半年‘失踪した政府’
弱者保護義務に目を瞑り‘無対応’一貫
双龍車・4大河川・零細商人問題も同じこと

イ・ギョンミ記者

←6ヶ月を翌日に控えた19日午前、ソウル,龍山区,漢江路の惨事現場で開かれた‘生命と平和の現場礼拝’に参加した市民らが犠牲者の魂を追慕し祈っている。 イ・ジョンチャン選任記者rhee@hani.co.kr

#1 ‘撤去民’チョン・ジェスク(68)氏は去る5月国民健康保険公団から送られた告知書を見て胸に何かが去来した。すでに世を去った夫イ・サンニム氏に‘今年健康診断対象者なので年末までに検診を受けなさい’という内容だった。去る1月20日‘龍山惨事’で夫が亡くなった後、政府を相手に戦っているにも関わらず政府の片側では夫がまだ生きていると思っている。チョン氏は「死んだ人に健康診断を受けにこいと言う国もあるんですね」と話した。
#2故イ・ソンス氏にも4万ウォン程の医療保険費が毎月きっちり請求されている。見るに耐えない夫人クォン・ミョンスク(47)氏が先月健康保険公団に保険料請求を中止してくれるよう要請したが、まだ返事がない。このように龍山惨事犠牲者5人にはまだ各種税金が請求されている。これに対して、龍山区庁は「家族が死亡届をしないため」として遺族のせいにした。

■ ‘失踪’した政府

犠牲者遺族たちが180日を越えてなおイ・ミョンバク大統領の謝罪と真相究明を要求して戦っている間、政府は‘後始末’のためのいかなる対応もしなかった。龍山惨事発生6ヶ月を翌日に控えた19日にも、これらはソウル駅広場で開かれた‘民主回復民生再生2次汎国民大会’に参加するなどこれまでに180回の追慕文化祭を行った。

リュ・ジュヒョン‘龍山惨事汎国民対策委員会’(汎国民対策委)スポークスマンは「公権力行使過程で国民が命を失った事件に対して、政府は法という盾の後に隠れている」と批判した。

‘政府の無対応’は龍山惨事に止まらない。双龍自動車ストライキ事態は‘第2の龍山事態’に広がる可能性が大きいが、政府は‘労使問題’だとして一線を画している。国内自動車産業全般に影響を及ぼす懸案だが連日‘法律違反者’だけが増えている。双龍車ストライキ事態で政府がした仕事は、労組員2人を拘束し200人余りを捜査したことだけだ。‘公権力だけあって政府はない’という批判が出てくる所以だ。特に初期に解決できた筈の葛藤を放置したために破局に突き進むようにしているというのが市民・社会団体らの指摘だ。

政府の‘4大河川再生事業’も零細商人の生計問題なども国民的要求を無対応で一貫する例だ。ノ・フェチャン進歩新党代表は「大型マートの進入で生計困難を訴える中小商人や庶民は‘龍山惨事’をこれ以上他人事とは思えないと感じている」として「弱者を保護しろとの国民の要求を権力に対する挑戦と見ているが、これは無責任であり無能力」と話した。

一方、汎国民対策委は20日午後、犠牲者の遺体5体を外に移す‘遷柩儀式’を行いソウル広場に出て行き焼香所を作るとこの日明らかにした。

←龍山惨事発生6ヶ月を翌日に控えた19日午前、警察がこの事件の犠牲者の遺体が安置されているソウル,龍山区,順天郷大病院葬儀場入り口で‘龍山惨事汎国民対策委’代表などの顔写真が載った手配犯人ビラを持ちながら出入り者などをチェックしている。 イ・ジョンチャン選任記者rhee@hani.co.kr

■市民社会の共感拡散

半年間、政府はびくともせずにいるが遺族のくやしさに共感する世論と手助けは順次大きくなっている。

天主教正義具現全国司祭団のムン・ジョンヒョン神父は去る3月末から龍山現場でミサを執典し始め100日を越し、天主教ソウル大教区イ・ガンソ神父も5月初めから行動を共にした。その結果、惨事現場の南一堂ビルは‘南一堂本堂’と呼ばれている。あるキリスト教団体は毎月犠牲者の子供らに通学費を支援しており、‘韓国教会奉仕団’は4億ウォンに達する葬儀費を出すという意思を明らかにすることもした。

ソウル大教授124人が6月初めに時局宣言を通じて、龍山問題解決を政府に要求したのを始め龍山惨事は各種時局宣言の核心主題となった。汎国民対策委関係者は「事件初期には責任を問う世論が沸騰したが、時が過ぎ中立的な市民団体など社会各界から支持を送ってきている」と話した。

イ・ギョンミ記者kmlee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/366739.html 訳J.S